2021/08/18
3月3日にリリースした3rdアルバム『AMUSIC』と共に、現在、全国ツアー「sumika Live Tour 2021『花鳥風月』」を開催中のsumika。
2020年3月、バンド初のアリーナツアーを予定していながらも、コロナ禍の影響で全公演の開催をやむなく断念。そんな状況の中でもこの1年、オンラインライブの開催、アルバムのリリースなど、音楽を鳴らさない日はなかった彼らの、6月13日「福井フェニックスプラザ」で行なわれた、sumika初の福井ワンマンライブをレポート。
日曜に行なわれた福井公演。会場にはガイドラインに従いながら、17時の開演を待つオーディエンスたち。暗転と同時に流れてくるsumikaライブ恒例の登場SE『ピカソからの宅急便』が賑やかに場内に響きわたる中、メンバーが次々とステージに登場する。オーディエンスは早速総立ちの状態になり大きな拍手でメンバーを出迎えた。
序盤に披露されたのは、アルバム『AMUSIC』に収録される、自分に勝つストーリーを描いた人気のナンバー『祝祭』。MCでは片岡健太(Vo,G)が「今日は声が出せないけれど、みんなの気持ちはしっかり届いているから」とオーディエンスに語りかけ、「今日、来ないと選択した人も絶対に正しい。今日、行くと選択したあなた。県を跨いでライブに行くの? って周りの人からいろいろ言われたと思うけれど、sumikaがやるって決めたので、sumikaのせいにしてもいいです。何があっても、僕らがみんなを守るから」と…。確かに、ようやく彼らのライブに来られたものの、どこか複雑な思いを抱えていたファンも少なくないはず。この言葉を耳にした瞬間、複雑に絡まった心の糸がほどけたのが、会場は大きな拍手に包まれた。
初の福井ワンマンを思いっきり楽しむかのようにトップスピードで駆け抜けていったライブ前半。MCでは荒井智之(Dr./Cho.)が「久しぶりの福井ライブ、最後まで楽しんでください」とファンに挨拶。黒田隼之介(Gt./Cho.)も「初の福井ワンマンですが、不束者ですがよろしくお願いします」と少し照れくさそうに話し、片岡健太(Vo./G.)は今更ながら2020年に大ヒットした韓国ドラマ「梨泰院クラス」を観はじめたこと、小川貴之(Key./Cho.)は福井駅前の恐竜と一緒に写真を撮ったことなど、笑いの絶えないトークを展開。
ライブ後半にはバンドの代表曲であり、この楽曲でsumikaのファンになった人も多い『Lovers』や片岡健太(Vo./G.)と小川貴之(Key./Cho.)のボーカルの掛け合いが印象的な『ライラ』など、多彩なナンバーを立て続けにプレイし、バンドの振り幅の広さを示した。本編の幕を下ろすナンバーとなった『センス・オブ・ワンダー』を披露する前には、片岡健太(Vo./G.)が「sumikaというのは誰も住んでいなければただの空き家であって、みんなが来てくれることで、住処になります。ここに来てくれたお客さんや僕らを福井によんでくれたイベンターの方やスタッフがいないとただの入れ物。住処に意味を持たせてくれるのは、みんなの気持ちがあってこそです」と、この日ホールにいたすべての人に向け、感謝の気持ちを述べた。
アンコールでは6月2日リリースした両A面シングル『Shake & Shake/ナイトウォーカー』から、sumikaらしい夏にピッタリのポップソング『Shake & Shake』を披露。リリース間もないナンバーにも関わらず、オーディエンスとの息も驚くほどにぴったりで、この最高すぎる時間を体感したメンバーは爽やかな昂揚感を漂わせ、片岡健太(Vo./G.)は「sumikaは同じライブを観ていた、ライブハウスの客席から生まれたバンドです。Sumikaのライブが友達でも家族でも恋人でも、誰かの待ち合わせになっていることがとてもうれしいです。今日は過去一番ライブの時間が長かったかもしれません。ライブの文化を一緒に大切にしましょう。また待ち合わせをしましょう!」と語り、アンコールラストのナンバーを披露した後には「今日の記憶があればしばらく頑張っていける気がしました!またいつでも帰ってきてください!」と福井初ワンマンを締めくくった。
先日、大阪・埼玉の追加公演がアナウンスされた「sumika Live Tour 2021『花鳥風月』」。それに続き、7月30日にはフジテレビ「バイキングMORE」テーマソングである『Jasmine』を配信リリース。
コロナ禍で「不要不急」というカテゴリーに、有無を言わさず押し込められてしまった音楽。しかし、どのアーティストのコンサートにも彼ら、彼女たちの音楽を「必要不可欠」とするファンがいて、好きなアーティストが目の前でパフォーマンスを繰り広げる空間や時間が、ファンに生きる喜びを与えているのは確かなこと。
最後に福井初ワンマンを終えたsumikaからメッセージが到着したので、ぜひチェックを!
sumika
神奈川県川崎市出身。片岡健太(Vo./Gt.)、荒井智之(Dr./Cho.)、黒田隼之介(Gt./Cho.)、小川貴之(Key./Cho.)からなる4人組バンド。様々な人にとっての“sumika(住処)”のような場所になって欲しいとの願いを込めて、2013年5月に結成。
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