【川上なな実のYellTalk】

川上なな実のYellTalk|性教育「性行為の尊さに気づいたお話」

2022/10/01

@kumagainaoko

生きるということの衣食住と
性を大切に丁寧に生活をするということがアラサーの私のテーマです。


それでもそんな事は忘れがちになるほど忙しい時だってあるし、そんな事考えたこともなく生きることにアンテナをはらない鈍感時期も過去にはありました。生きて行くうちに大切なことに気づいて改め直すということは良き事だと思っています。


私は性を扱ったAV女優という仕事を10年間してきました。

その性との向き合い方の変化を実体験としてここに提示するように書いていこうかと思います。
けして題名のように性教育という立派なものは書けませんがどうか私の体験を元になにかしらを感じてもらえるだけで嬉しいです。


AV女優になる前10代の私の頃の話からしていこうかなと。

その頃の私の性に対しての感覚は、初体験は人並みで性行為はとても前向きな感覚で好きでした。

コンドームは必須でちゃんとつけるように相手に伝えたり、自分で持っていたり、キスは本当に好きになった段階ですると決めたり、当たり前の様な事かも知れないけど割と神経質な方でした。

しかしそれが…

その後AVの世界に入ってからは、その世界に入った経緯が今の時代では決してない特殊な入り方をしたからか自分ではまともな判断ができない状況でした。


経緯の詳細は自伝的小説で『決めたのは全部、私だった

毎月1、2日はお仕事で長時間にもわたるありとあらゆるやり方で性行為の撮影をして、好きな人とやる行為だったものが快楽を求める為に行うものということに知らぬ間に変換されていました。

その頃の私はプライベートでも自分勝手に相手には快楽を求めていたと思います。

だからかコンドームを当たり前につけないでやろうとする人にたくさん出会い、私自身どんどん麻痺ってしまってそれが当たり前なんだと思って性を捉えていた暗黒時代がありました。


それから私との子供がほしいと思ってくれた今の旦那さんと出会ってからは性に対する価値観が180度変わりました。

お腹に命が宿るということは相当な奇跡の出来事なのだとそこではじめて気づいて暗黒時代の自分を強く反省したんです。

自分が子供を産むという摩訶不思議な行為に戸惑いつつもこの人の子供を産んであげたいという気持ちがどんどん増して、性行為で新しい命を授かるということに敬意とプレッシャーすら感じました。

性行為は子供を作る行為と言いましたが勘違いして欲しくないのが性行為やまた自慰行為は子供を作ると言うだけのものでは無いと断言します。

これってとってもセンシティブなことですよね。

その行為に重みという感覚はもちろん失って欲しくはないですがその行為はロマンチックなものであってほしいし、お互い楽しんでほしいものです。性行為と自慰行為は生きる上でエネルギーの必要なフェロモンであり活力になると私は思っています!

一人での自慰行為は誰にも迷惑かけることなく黙々とできるし、手っ取り早くストレス発散したいときなんかはオススメしたい行為です(笑)


話を戻しまして、暗黒時代に関して反省をしましたが、みんながみんなそこを通る必要性は決してないと言いたいですが、その時の落ちていた私には”生きるために必要だった”んだと思います。

きっとその行為で生きていると言う感覚を実感できて自分を生かすことができたんです。

決して自分の過去を否定したくないからこう言っている訳ではないです。

その時の私には必要な要素だった。

だからこそ私は何度も連載で言っていますがAV業界に10年間自分を生かしてもらって感謝しています。


でも、でもですよ(笑)

自分の反省点としてコミュニケーションを取るのが苦手だから性行為で手っ取り早く繋がりを感じるという過去の自分勝手な言動はどうなのかと思います。そんなの素敵な人が周りにいても振り向いてくれないですよね(笑)

性行為への向き合い方、バランスってとってもセンシティブだと改めてわかってもらえたでしょうか?


そしてもう一つこの機会に話したいことがあります。

少し話は戻りますが”お腹に命が宿るということは相当な奇跡”だとお伝えしました。

そこで私は大きな誤解をしていました。女性の子宮寿命は男性の精巣寿命より遥かに短いと思っていたので男性は60代、70代になっても子作りができるから焦りも少ないのだろうと思い込んでいました。また私の昔の悪い癖、男の人へ中指立てていました。

もちろん女性の卵子の数は決まっていて日本の平均的な閉経年齢は50歳と言われています。

それに余談ではありますが私は初経の年齢も早く、月経が月に1度では無く2度来て人より排卵スピードが速かったので限られた卵子の数に不安を感じていました。

また子宮頸がんの手前の細胞と言われる高度異形成の数値がずっと下がらずにあったのと子宮内膜症と診断されていたので妊娠できるかということには20代の頃から不安を抱いていて定期的に病院で検査を行っていました。

そこで子宮頸がんの予防としてHPVワクチンというものがあることを外国の方に教えてもらって自分なりに勉強して受けてみました。(日本で去年受けて3回接種で9万円かかったので白目剥きそうでしたが)

外国では当たり前のように男女ともに小学生の頃からそのワクチンは受けるそうです。
もっとこう言った話を男女関係なく気軽にシェアしていきたいものです。外国では行為を持つ相手と日常会話の延長線としてこのような会話をするそうです。


あ、また話を戻しまして…

男性の精巣寿命、閉経時期について少し調べてみました。

男性の方が個人差が大きく、ストレスなどの心理的・社会的要因、加齢などの影響が大きく絡み合ってくるそうです。年齢による加齢で性欲低下や勃起障害というのは理解できますが若いうちからでも外的要因によってそれが起こるのも大変ですよね。

”男性も繊細なんだ”ということが本当なんだと思いました。(また白目です)男性もけっこう弱いのです。

男女ともになにかしらの不安を抱えているケースが多いと思います。そんな不安要素を話合ったり、お互いが向き合ってコミュニケーションを取ってパートナーを大切にしていきたいですね。

更に皆さんともっともっと性の考え方をシェアして少しでもオープンに共有して知識を得たいものです。

また知識だけでは無く、それぞれの価値観を知って自分を見つけていってほしいです。
みんなそれぞれのペースがある。

価値観を押し付けるのでは無くて自分の中で大切に持っていれば独身だったとしてもパートナーと一緒になったとしても不安というものは減っていくんじゃないかと思います。

それが思いやりに繋がったりもしてね。

性行為は大事かもしれませんが日常生活の感情の共有・シェアを今私は一番大切にしています。


旦那さんと

「今日1日楽しかったね」

「これ美味しいね」

「あの人良い人だね」


などなど…

なんでもない日常にHappyな気持ちを言葉で共有することで信頼関係や精神的な安心を獲得できるんだと思います。

いろいろ話してきましたが、私は今までの性を扱うお仕事を通して感じた事や気付いた事を性教育という形になっているかはわかりませんが、これからも少しずつ話していけたらいいなと思っています。


幸あれ。


川上なな実(@nanamikawakami
福井県生まれ。AV女優業のほか、アイドルユニット・恵比寿マスカッツやストリッパーとしても活動。今年4月、2022年でのAV女優業・ストリッパー業の引退と、俳優業に専念をすることを発表。主な出演映画やドラマは「下衆の愛」「悲しき天使」「全裸監督」など。
【川上なな実オフィシャルサイト】





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