2023/07/03
世界を知り、日本の黄金期を知るメンバーが立ち上げた女子テニスの国際大会「大東建託オープン2023」。福井大会のトーナメントディレクターとして現地で運営にあたった杉山愛さんとともに大会を振り返る。
(月刊URALA STYLE 6月号より抜粋)

「若手選手が出場できる大会を作り、世界に向けてスタートの一歩を踏み出せたことは大きな収穫」と福井大会を振り返る杉山愛さん。2009年の引退後も育成などを通じて日本のテニス界に貢献。「ビリー・ジーン・キング杯」では日本代表監督も務めている。
今年初開催の「大東建託オープン」は、杉山さんや伊達公子さんらで構成する『ジャパンウィメンズテニストップ50クラブ(JWT50)』が世界への登竜門として創設した国際大会。賞金総額は1万5000ドルとITF(国際テニス連盟)ツアーの中でも最も低いグレードの大会となり、若手選手はここから世界ランキングに必要なポイントを獲得し、上位の大会にチャレンジしていくことになる。
それは杉山さん自身もジュニア時代に経験してきた道のりだ。「私は小学2年生の時から世界を意識し、17歳でプロになって1万ドルの大会に出場しました。片田舎の誰も見に来ないような大会で、早くここを卒業してグランドスラムにという気持ちで試合に臨んでいました」「そういう意味でこの『大東建託オープン』も選手が〝居心地のいい〞大会になってはいけないと考えています。ここをステップに一日も早く大きな大会に進んでほしい。いかにこのクラスの大会はスピード感を持って抜けていくかが、グランドスラムへの道として重要となってきます」。
What’s JWT50?!
世界のトップを目指す日本人女子選手のチャレンジを後押しするため、伊達公子さんら世界ランキング50位以内を経験したテニスプレーヤーをメンバーに、一般社団法人「Japan Women’s Tennis Top50 Club」(略称 JWT50)を設立。“Rally for the Future”をスローガンに、さまざまなコミュニケーションアクションを展開。国際大会の開催もそのひとつ。2023年シーズンは6大会を開催。大阪、福井のほか、6月に千葉、7月から8月にかけて3週連続で北海道で実施する
全6大会のうち、杉山さんは7日間にわたる福井大会のトーナメントディレクターとして現地での大会運営に携わった。
「(JWT50のメンバーは)世界ランキング100位以内に日本人選手が2桁いた時代を知っています。だからこそ、日本の女子テニスの現状に対して、まだまだできることがあるのではないか、と。(福井大会で)大会運営に深く携わり、試合だけでなくオフコートの過ごし方など、現場を見て感じられたことは今後の活動にも活かされると思っていますし、私たちにとっても大きな一歩となりました」
杉山さんは、地元・福井の運営スタッフの姿も印象的だったそうだ。「全面的に協力してくださり、みんなで盛り上げていこうという温かい気持ちが伝わってくる大会だったと感じています」

最終日に行われたセレモニーの終了後には、杉山さんと伊達さんが大会のサポートに加わった仁愛女子高校テニス部員のユニフォームにサインをするサプライズがあった。
「天候やコンディションが急変する大会となりましたが、雨が降った時もきれいに水はけしてくれるなど、地元スタッフの協力体制があったからこそ、無事に終えることができたと実感しています。彼女たちへのサインは感謝の気持ちですが、涙を流して喜んでくれた姿を見ることができて嬉しかったですね」
大会中、杉山さんは福井のキッズやジュニア選手たちとのコミュニケーションの機会も設けた。
「参加した福井のジュニア世代は皆さんとても積極性があって、悩みや考えていることをどんどん聞いてきてくれました。経験者と密にコミュニケーションを取れるのがJWT50の魅力でもあるので、今後もこういった機会を最大限に活用していってほしい」
「国際大会のレベルや雰囲気など、普段の練習では知りえない情報をリアルに感じられたことはこの大会に出場した若手の選手たちにとって大きい経験となるはずです。だからこそ、数年後には福井からもたくさんの選手がこの大会に出場できることを期待しています」
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