伝統打刃物と革新技術のコラボから広がる、ものづくりのフロンティア。│福井は美味しい、楽しい!

2024/02/22

福井ならではの発想が生む、洗練を極めた機能美アイテム。

700年以上の歴史を持ち、越前市に伝わる「越前打刃物」。もとは日本刀の刀鍛冶の伝統から発生したが江戸時代には農具の一大産地として栄え、現在は包丁を主流にした製造元が多数存在している。伝統の製法を守り続け、鍛造から研磨まで一つひとつ手作業で行ない、1979年に全国で最初に伝統工芸として指定された。

創業70年を迎える『龍泉刃物』は、福井の伝統産業を国内外に発信、知名度の向上に貢献してきた越前打刃物の老舗刃物屋である。トレードマークともいえる文様「龍泉輪」を特長とする包丁やナイフは、『龍泉刃物』を代表する逸品となり、今では世界中の料理人の憧れの的となっている。

近年ではカトラリー製品のものづくりにも着手。切れ味と美しさが高い評価を得ており、人気アイテムは数年待ちの状況という人気ぶりだ。その老舗が手がけた次なる新商品がシーフードフォーク「グランピーク」。会長の増谷さんが、次はどんな商品が喜んでいただけるかを考えていた折、福井を代表する名宿『望洋楼』のご主人から蟹フォークについての相談を受けたことが始まりという。
「福井の冬の味覚、越前蟹を食べることにどこまでこだわれるのか、を追求するための一本を作ろうとプロジェクトを立ち上げました」。

特にこだわったのは美しいフォルム。試行錯誤の末、強度やしなり、形状の実現のためにメガネ加工技術のプロ集団「チタンクリエーター福井」に協力を依頼し、チタン特有の繊細で優雅なフォルムが完成した。置いた時に先端が触れない絶妙なデザイン、安定感のある重さ、力を入れなくても蟹身がするんと出る厚みと角度設計。手に馴染む握り心地で、機能性を徹底的に追求している。

「全体が細く先端も小さめで扱いやすいため、さざえの壺焼きやバイ貝の身、はまぐりの貝柱を取り出したり、ソーススプーンなど、アイデア次第で広く使えます」。
チタン製なので耐久性にも優れ、丈夫なため、魚介類の下ごしらえなど調理器具としても活躍しそうだ。

伝統工芸のコラボといえば話題性ばかりのノベルティ的なものが多い印象だが、両方の強みを生かし現代の生活に溶け込んでこそ意味がある。越前打刃物と眼鏡加工の革新技術から生まれた「グランピーク」は、進取の精神を原点に、伝統を守りながらものづくりに取り組む老舗の強さの象徴といえるのではないだろうか。福井の次世代に続くものづくりの最前線をぜひ手にとってみてはいかがだろう。


株式会社 龍泉刃物(直営店)
【住所】福井県越前市池ノ上町92-5-6
【電話】0778-43-6020
【時間】10:00〜17:00
【HP】あり
【SNS】Instagram
※オンラインショップでも販売







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