【~11/4】北アメリカ大陸に見る恐竜進化の軌跡。『福井県立恐竜博物館』で特別展

2024/07/24

“ブラックビューティー”の頭骨など、貴重な実物標本を間近で見ることができる特別展

北アメリカ大陸の西部に広がる荒野「バッドランド」の化石から恐竜の進化と繁栄の歴史に迫る『福井県立恐竜博物館』(勝山市)の特別展「バッドランドの恐竜たち -北アメリカの1億年-」。“ブラックビューティー”の異名を持つティラノサウルスの頭骨をはじめ、日本初公開となるゴルゴサウルス全身骨格産状、プロサウロロフス幼体骨格産状など貴重な実物標本の展示は見どころのひとつ。会場を訪れると、“本物”が醸し出す臨場感を前に恐竜たちの進化の軌跡がよみがえってきます。特別展は11月4日まで。

1980年夏、カナダ・アルバータ州南西部クロウズネスト峡谷付近で発見、後期白亜紀のウィロークリーク層から発掘された“ブラックビューティー”は目玉展示のひとつ。会場では、長さ1.27メートルの頭骨が四方から鑑賞できるように展示されていて、その保存状態の良さから形状や構造を詳細に観察することができます。

また、発掘された地層の堆積環境から、やや乾燥した気候の中で生活していたと考えられていて、化石になる過程で地層中のマンガンを取り込んだため、漆黒に輝きを放つ美しさも大きな魅力となっている標本です。

“ブラックビューティー”が展示されているゾーン4「百花繚乱 ~多様化する恐竜たち~」では、環境の変化とともに恐竜たちが多様化のピークを迎えた後期白亜紀の恐竜たちが登場します。

ゴルゴサウルス全身骨格産状。小さな前肢の指は2本でティラノサウルス科の特徴が見られる

ゴルゴサウルスはアルバータ州を代表するティラノサウルスの仲間で、1999年にアルバータ州立恐竜公園で発見された全長約6メートルの全身骨格産状を実物展示。その保存状態は奇跡的で、デスポーズと呼ばれる、頭と尾を背中側に大きくそらして弧を描くような姿勢で地層中に保存されていました。

プロサウロロフス幼体骨格産状。鱗が体表を覆っていたことを伺うことができる

また、プロサウロロフス幼体骨格産状も上半身の骨がつながった状態で保存されている貴重な実物標本を紹介。腹部には皮膚痕が残っていて、鱗の形や大小がわかるほど、こちらも保存状態が良く、見ごたえのある展示です。

アクロカントサウルス全身骨格。頭骨は細長く、目の上に張り出す眉のような突起が特徴

樹木が少なく、むき出しとなった地層が広がる「バッドランド」では、これまで数多くの恐竜化石が発見されています。恐竜研究の聖地とされる北アメリカ大陸の恐竜たちがテーマの特別展。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と時代とともに恐竜たちの進化の軌跡をたどる、4つのゾーンに分けて構成、展示されています。

恐竜たちが巨大化を極めたジュラ紀のゾーン2「巨人たちの大陸」では、広い空間を生かした全長約25メートルのディプロドクス全身骨格や、アメリカ・モリソン層から発見されたアロサウルス・ジムマドセニの実物タイプ標本などを展示。ゾーン3「新時代の幕開け」では、全身11メートル以上に達し、白亜紀中ごろの北アメリカ大陸で最大級の肉食恐竜だったアクロカントサウルス全身骨格の迫力ある展示が目を引きます。


特別展「バッドランドの恐竜たち -北アメリカの1億年-」
【日程】2024/7/12(金)~2024/11/4(月・振休)
【会場】福井県立恐竜博物館(福井県勝山市村岡町寺尾51-11)
【電話】0779-88-0001
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで) ※8/18までの夏休み期間は8:30~18:00(入館は17:30まで)
【休館】9/11、9/25、10/9、10/23
【料金】(特別展観覧料)一般1800円、高・大学生1600円、小・中学生1000円、70歳以上1000円 ※常設展も観覧可
【HP】あり
※入館には日時指定の観覧券が必要。HPで事前に購入



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