【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2024/12/01
こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
2024年のコラムも残り1回となりました。
12回も綴った気がしませんが、あっという間の12か月でした。
私事ですが、環境が大きく変わったことでより早く感じられたのかもしれません。
福井を離れてからも、なんやかんやと理由を見つけては帰福をしていますが、先月は、文殊山に登り、リフレッシュしてきました。山頂ではご住職にも再会し、記念写真をとらせていただきました。掲載の許可をいただいたので、ご紹介させていただきます。
ご住職とはNHK福井時代、「ふた散歩」というコーナーの中で初めてお会いしたのですが、その時は、
二村)「知恵の大杉に触ると知恵を授かると聞いたのですが…」
住職)「…どやろの」
二村)「下山途中で振り返ると、授かった知恵がなくなってしまうと聞いたのですが…」
住職)「…どやろの(失笑)」
という感じでしたが、その後、仕事、プライベート含めて、登るたびに、いつも穏やかな笑顔で迎えてくださり、癒しの存在です。
次にお会いする頃には、山頂からは白く輝く白山をのぞむことができるでしょう。
11月に入って、日本付近には度々やや強い寒気が流れ込みました。
福井では初雪の発表こそありませんでしたが、残暑の影響で遅れていた白山の初冠雪の便りがようやく届きました。11月8日の初冠雪は観測史上2番目に遅い記録でした。
福井市では初雪が観測される日は平年12月3日なのですが、過去10年間の観測された日をみると、平年よりも遅い年が目立ちます。
ことしも例外ではなく、コラムを書いているいまの時点の予想では、福井県の上空に平地で雪を降らせる寒気が予想されているのは12月10日ごろ。平年よりはやや遅くなりそうです。とは言え、11月もおそらく記録的な高温となる見込みなので、12月に入って10日ほどで一気に雪降る寒さを実感することになりそうなので、早めに準備を整えておきましょう。
さて12月になると、とたんに鉛色の空の日が増える気がしますが…年間の福井市の晴天率、というのを調べてみました。気象庁のHPで見ることができるのですが、一日ごとの天気が、晴れ・くもり・雨・雪で分けた場合に、どの天気が出現する確率が高いのかを表したものです。正式には「天気出現率」と言います。
365日分のデータがあるので、ここに挙げることはできませんが、月の傾向がわかれば…と思い、月ごとに平均してみた結果がこちら。
わかりやすく冬の期間、12月・1月・2月が晴れる割合が低くなります。
最も晴れが少ないのは1月なのでですが、12月は、夏から秋の晴天率が比較的高い時期から一気に晴天率が低くなるので、急に「晴れが少なくなったなあ…」と実感する月と言えそうです。
しかも1か月予報によると日照時間は平年よりも少ない確率がやや高めなので、晴れの日が貴重な1か月となるかもしれません。年末に向けて、大掃除や買い出しなどは週間予報とにらめっこしながら、晴れの日をしっかりチェックして気持ちよく新年を迎える準備を整えていきたいですね。って言いながら、大掃除が中途半端なまま年を越してしまうのは…わたしです(笑)
ことしもコラムにお付き合いくださり、ありがとうございました。
毎回、「これでよかったかな~」と反省することも多いですが、福井の天気を掘り下げる貴重な機会となり、私自身とても勉強になっています。また、素朴な疑問などあればお寄せください。
皆さま、よいお年をお迎えください。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー
2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で
気象情報を担当。
この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして
気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ
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2024/11/01
2024/11/01