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【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2025/02/03
こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
2025年が早くも1か月過ぎてしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?
去年の12月は平年を下回る厳しい寒さで、振り返ると日照時間も10年ぶりの少なさでした。1月はというと、変動はあるものの、この時期らしい寒さの日が多かったのですが、大寒(1月20日)のころになってからは高温傾向に転じました。
2月の傾向も、天気は平年と同様に曇りや雨の日が多い見通しですが、寒気の影響は受けにくく、気温は高めの傾向の見通しです。
そうなってくると、気になるのが花粉です。花粉症でない方は、「私には関係ないわ」と思われるかもしれませんが、花粉症は突然発症するやっかいものです。決して他人事ではありません。私は長年花粉症と付き合っていますが、おととし、福井で大量飛散した年があり、そこから、ひどい時には耳までかゆくなるようになってしまいました。
そんな私に、今月驚きの情報が…
東京都から「東京では1月8日にスギ花粉の飛散が開始した」という発表があったんです。観測を開始してから最も早い開始だそうで…これから冬晴れも喜んでいられないな…なんて思いました。
では、福井はどうでしょうか?
スギ花粉が飛び出す目安として「気温400℃の法則」というのがあります。元日からの最高気温が400℃に達すると、飛び出す。。。というものなのですが,福井には県の衛生環境研究センターの調査による独自のデータがあるのです。それは、1月21日からの最高気温の積算温度が258.9℃に達すると飛散開始というものです。
そこで過去10年の福井市の飛散開始日と①元日からと②1月21日から、その日までのそれぞれの積算温度を計算してみたところ、次の表のような結果になりました。
年によって、大きくオーバーしたり、それぞれの温度に達するより全然前に飛散開始する年はあるものの、ばらつきが小さい方を赤で囲んでみると、福井では、258.9℃の方が、参考になると言えそうです。もし、関心がある方がいらっしゃれば、1月21日からの最高気温を足してみて、目安にしていただければと思います。
ただ、暖かな日が一気に続いたり、日差したっぷりの日が続いたりする場合は、それぞれの数字に達する前の本格飛散も十分に考えられるので、心配な方は早めに対策をとるようにしましょう。ここ10年の傾向を見ても、2中旬・下旬までには飛び出す年が多くなっています。
そして、気になるのがどのくらいの花粉が飛ぶのかどうか…ですが、花粉の飛ぶ量には表年、裏年というのがあると言われています。
福井県の衛生環境研究センターのHPの資料でみても、その年の天候などにももちろんよるとは思いますが、平成21年~平成26年あたりは、わかりやすい傾向ですし、おととしは表、去年は裏だったことがうかがえます。
これでいくと、ことしは表…
各気象会社も独自の予測を発表していますが、おおむね去年よりも多くなる見通しです。
福井県の花粉情報は、衛生環境研究センターというところのホームページで細かいデータや、対策などが丁寧に書かれています。気になる方は、一度のぞいてみるといいかもしれません。
花粉と闘っている間に桜が咲いて、そしたら汗ばむような日が出てきて、あっという間に夏が来て…あ、やめよやめよ…(笑)
では、また来月。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー
2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で
気象情報を担当。
この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして
気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ
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