【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2025/05/01
こんにちは。気象予報士の二村千津子です。 このコラムで、幾度となく「今月の気温変化」のグラフを紹介していますが、先月の気温変化も伝えずにはいられません。
グラフの目盛りの下は0℃。上限は30℃。この幅めいっぱいの乱高下でした。 4月5日の最低気温は2.1℃。4月19日の最高気温は29.5℃とあわや真夏日。
実際に、この日の福井市中心の電光掲示板では、30℃を表示していました。
「まだ4月だけど…」って思わずつぶやく暑さでした。
また、敦賀の気温変化も同様に…
敦賀の4月19日の最高気温は28.6℃。4月の記録としては5番目に高い気温でした。
福井や敦賀のグラフをみていて…ふと「あれに似ているな…」と思ったのが、こちら…
そう、福井駅前の恐竜フクイティタン。写真は左右を反転させてみたものですが、グラフの傾きが、恐竜の長い首のようだな…と。
もとい…4月17日から19日までは、県内の気温を観測している10地点すべてが25℃以上の夏日を記録しました。各地、4月としては異例の暑さになりました。
そして、5月にもなれば、真夏日に迫る日もますます多くなりそうです。
そんな急に暑くなる日に気を付けないといけないのが、熱中症。
まだまだ大丈夫でしょ!?と思いがちですが、侮れない時期なのです。
この時期はまだ“暑熱順化”ができていないためです。
暑さに体が慣れるという意味で、ここ数年ですいぶん取り上げられる言葉になりました。
夏本番の頃には、体が暑さに慣れて、きちんと汗をかいて、体に熱がこもらないような状態になるのですが、5月や梅雨の時期はまだ暑さに慣れていない時期なので、真夏のような暑さでなくても、暑さで体調を崩してしまうことがあります。
そうならないために積極的に“暑熱順化”をしておくことが大切です。
例えば…
外出時にはできるだけ階段を使用する、ちょっとした買い物は車を使わず歩く…など、意識して少し汗をかくような運動をしましょう。
福井の人は、本当に…歩かないですよね(笑)
もちろん、健康のためにせっせと歩いている方の姿もよくみかけます。
でも、近くの銀行まで…スーパーまで…でも車を使う方が多いのも日常で。
歩いて20~30分くらいの距離は暑熱順化にはちょうど適した距離です。
目安としては、ウォーキングの場合の時間は1回30分、ジョギングの場合の時間は1回15分、頻度は週5日程度と言われています。
週に5日、15分ジョギングするのは習慣化するまでにハードルが
高いかもしれませんが、歩くことから始めてみるといいかもしれません。
歩くのはどうしても…という場合、
通勤や買い物など、日常の中で取り入れやすいのがサイクリングです。
目安として、時間は1回30分、頻度は週3回程度です。
室内では筋トレやストレッチで軽く汗をかくことができます。
室内の温度には注意し、暑くなりすぎたり水分や塩分が不足したりしないようにしましょう。
目安として、時間は1回30分、頻度は週5回~毎日程度です。
また、シャワーのみで済ませず、湯船にお湯をはって入浴しましょう。入浴の前後に十分な水分と適度な塩分を補給し、入浴して適度に汗をかくと良いでしょう。お湯の温度が高めの場合には時間は短め、温度が低めの場合には少し長めの入浴することがおすすめです。
目安として入浴の頻度は2日に1回程度です。
せっかく一度暑熱順化ができても、数日暑さから遠ざかると暑熱順化の効果はなくなってしまいます。本格的な暑さが続く前のこの時期こそ、習慣化するといいかもしれません。
私は、これがダイエットにもつながる…と思って、せっせと歩いているのですが…
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー
2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で
気象情報を担当。 アメブロ
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