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中華麺と無化調、福井の男達の情熱物語 麺が変わるだけで、美味しさ倍増!? |宗近製麺

“麺のプロ”宗近鉄也さんがお送りする麺好きのための連載「麺 to the future」

麺 to the future

麺のプロとあって、蕎麦以外の麺類にも精通している宗近さん。実はとある中華料理店 店主とタッグを組み、完成させた渾身のラーメンがあるのだとか! 今回は、無添加かつ美味しい料理にこだわる店主と、それを実現させるべく、この麺に情熱を注いだ麺のプロ。このアツい男たちの真摯な物語を紹介します!

宗近鉄也(むねちか・てつや)
株式会社 宗近 専務(四代目)
1980年、越前市(旧武生市)生まれ
高校卒業後、大学進学を機に上京。大学卒業後は某企業で数多のクレーム対応に従事、約6年間勤務。その後、奈良県の製麺所に就職、約4年間勤務。32歳で実家である『株式会社 宗近』に就職、35歳で専務に就任。現在に至る。



-宗近さんではそばだけでなく、中華麺も製造しています。夏の「冷やし中華」は市販されているのでお馴染みですが、飲食店への納入もありますよね。

はい。でも単なる製造・納入ではなく、麺のプロとしてその店のお客様に喜んで頂ける麺を提供したいと考えていますし、実際に提供もしています。その一つが越前市にある無化調にこだわる中華料理店『やさい中華 四川菜』(以下、四川菜)さんです。

-『四川菜』さんですか! オーナー、背戸(せと)さんとの接点は元々あったのですか。

宗近さん(以下、宗近) 以前、『四川菜』と同じ場所にあった中華料理店に中華麺を納入していました。がしかし、そこが数年前に閉店、しばらくして背戸さんが『四川菜』をオープン。納入業者としてそのまま継続していただきました。

背戸さん(以下、背戸) 開業直前まで県外(大阪など)でしたから、業者のことは全くわからない状態でした。そういう意味では、業者を引き継げたのはラッキーだったんです。

(左)宗近専務、(右)四川菜店主 背戸さん

-背戸さんは宗近さんのことは全く知らなかった?

背戸 はい、まったく(笑)。地域や食文化についても情報はゼロでしたから、周りの方から少しずつ教えてもらいました。

-では、中華麺の納入開始後、すぐに店に合った麺の製造に取り組んだわけですか?

宗近 実は納入し始めて2年後(2018年)です。きっかけは、担々麺の美味しいお店があると噂を聞いて。2年間も納入しているのに、『四川菜』さんの料理を食べたことがない…これはイカンと。

-それで麺料理を注文した。

宗近 人気の「担々麵」を注文して、単純に美味しかったんです。こんな本格的な担々麺を福井で提供されていることにかなり驚きました。でも、瞬時に麺に違和感を感じました。具とスープに対して、麺の主張が強すぎるし、噛み応えも何とかしたい。

せっかく無化調で熱意のあるスープを作られているのだから、その思いに応えてもっと麺を美味しくしたい、…そう思ったら、いてもたってもいられなくて即、行動。翌日には改良した麺を勝手に試作していました。

-背戸さんは、中華麺についてどう思われていましたか?

背戸 自分で麺を作ることができないので選ぶ(購入)しかありませんよね。でも、当時の宗近さんの中華麺に個人的には満足していましたよ。

一方で当時は無添加、化学調味料を使わない(無化調)メニューを目指していました。“食の安全”は店の責任ですからね。そんな時、宗近さんが2種類の麺を持ってきてくれたんです。

宗近 現状の麺の雰囲気を生かしつつ改良したものと、私が思い描いた担々麺に合う私好みの2種類。

背戸 試作品として1種類50食分、計100食分も持ってきてくれた。頼んでもないのにこんなことまでしてくれることに驚きましたよね! 男気を感じました(笑)

-宗近さんとしては“私好み”推しですよね。

宗近 もちろん。「担々麵」を食べた後、自分のこれまでの経験をもとに小麦粉の配合を考えて試作。すると、一発でこれだ! という麺が出来上がったんです! 無化調のことも聞いていたので、国産小麦粉と天然かん水にはこだわりました。

背戸 まず小麦粉の香りに驚き、さらにかん水に“天然モノ”があることにも驚き…驚き尽くめでした。

次ページ→ 究極の麺、その正体とは!
そして本領やいかに!?

-麺の具体的な改良点は?

宗近 今までの麺は、噛んだ時の食感が少し固く、無化調のスープに勝ちすぎていたので、食感を軽くするため、麺の密度を薄く(少なく?)しました。これは製麺上の工夫と、小麦粉等の配合レシピで改善できます。あとは、小麦粉の特徴を生かしてもっちりした麺に仕上げました。通常、中華麺の幅1.5mmのところ、2.5mmとかなり太めに仕上げているのも特徴です。

背戸 今まで以上の香りに、もっちりとした食感。お客さんにも食べ比べてもらったら宗近さん推しの方が良いって。無化調を目指す私にとって、宗近さんからの麺の提案は嬉しい限りでした。

ゆでる前の麺。御覧の通り幅が広く長方形の断面

-でも、無化調になると、麺の味はかなり変わりますよね。

背戸 中華料理と化学調味料との関係はかなり深いし、化学調味料の味に慣れてしまっていると無化調は物足りないと思われる方も多いでしょう。でも中華の料理人として、どうしても無化調に挑戦したかったんです。なので、野菜や肉などコクの出る材料や調理法を熟考しながら、独自の味を作り上げています。

宗近 背戸さんの想いと味わいに負けない麺が、今の中華麺なんです。

ゆでた後のオリジナル麺。たしかに太い

-四川菜オリジナル麺、その効果は?

背戸 お客さんの好反応はもちろんですが、私自身が麺メニューを充実させたいと思うようになりまして…。新たに中華そばをメニューに加え、焼きそばもその中華麺を使い、最近では酸辣湯麵も提供しています。

-まさに万能麺!

背戸 宗近さんは、麺メニュー充実のベースを作ってくれた恩人です。

宗近 製麺所としての経験、そして「もっと美味しくしたい!」という情熱から、今の中華麺が誕生しました。喜んでいただけることは、麺プロ冥利につきますね。

「担々麺」 。深いコクとやみつきになる辛さ、
そして究極の麺とのバランスが最高の一杯

-人気の担々麵の背景には、こんなに熱い物語があったんですね。

背戸 今後もいろんなことに挑戦するつもりです。今の中華麺はそのままに、もう少し細くするとどうなるのかなぁとか考えてみたり…。

宗近 細くする…。今の中華麺を単に細くすればいいわけではないので、早速、考えます!

-また、熱い物語が生まれそうですね。

宗近 『四川菜』さんは大事なお客様ですが、その前に私自身が『四川菜』のファン。いろんな料理を楽しみつつ、仕事として味の確認もしていきます。そして、これからも良きパートナーでありたいですね。

背戸 無化調、そしてプロが認める味を目指して、これからも頑張ります。期待してください。

『やさい中華 四川菜』
2016年4月オープン。野菜をたっぷり使い、無添加にこだわる中華料理店。オーナーの背戸俊哲さんは、四川料理のシェフとして都ホテルやレストランの料理長を歴任。定年を機に、奥様の故郷である越前市で開業。
お店の情報はこちらから

さて次回は4月も近い春。春といえば、出会いの季節です。そこで、意外と出会う機会(接点)がないという製麺所と製粉所との対談です。麺と粉、互いにどんな印象を持っているのでしょうか。ご期待ください。

宗近製麺(むねちか)
【住所】福井県越前市北町45-63-1
【電話】0120-22-3139
【時間】10:00~17:00(日曜、祝日除く)
【HP】あり



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