モノづくり専門のアウトソーシングカンパニー『㈱プロダクト・マイスター』渡邉社長のドタバタ人生劇場第5弾。前回は、真の「働き方改革」で赤字から黒字へ逆転(前回のエピソードはコチラ)。しかし、あの世界大恐慌「リーマン・ショック」が起きました! その時、渡邉社長はどう動いたのか? 今回はコチラのお話をお送りします。Here We Go!

― 2008年9月「リーマン・ショック」が起きました……。この時会社は?
渡邉:周りのお客さんから一斉に人材を「要らない」って言われて……。世の中にはリーマン・ショックが原因で「派遣切り」にあった失業者が集まった「派遣村」ができましたね。
- 話題となり問題視されましたね。メーカーさんも、もうモノづくりをしない状態ですか?
渡邉:「しない」のじゃなくて、「つくりたくてもつくれない」状態。だから人手が余る。世の中不景気で、発注も一瞬で止まりました。でもウチの社員の雇用形態は“派遣”ではなく、“正規雇用”でしたので。だから辞めてもらうわけにもいかない。
で、このリーマン・ショックで仕事がない時、融資をしてもらうためにどうしよう? 明日からどうしようと悩んでいるこのタイミングで初めて「請負なら一緒に仕事をしてもいい」という会社が現れました。今までは“請負”という事が、なかなか理解してもらえなかったのですが。リーマン・ショックで不景気にも関わらず忙しい業界があったのです。
- どんな業界ですか?
渡邉:ゲーム業界! 当時爆発的に売れていたゲーム機の製造は忙しかったのですよ。
- でも、なぜ“請負”なら仕事をしてもいいよと。
渡邉:この時「派遣」というもののイメージが世間では凄く悪かった。代わりに「非正規社員」という言葉も生まれましたが……。だから企業は派遣社員を使いたくない。
― 本当は忙しくて人手が欲しいのに、イメージが悪いから派遣社員を雇いたくないと。
渡邉:しかし、アウトソーシング(EMS)みたいなカタチならやりたい。海外で安価の受注生産をするのではなく、国内で「しっかりとしたものづくりができる」、いわゆる外注を考えたのです。
― その外注がしっかりできるのが『㈱プロダクト・マイスター』!
渡邉: この仕事との出会いを言いますと、実は……。リーマン・ショック後にやる仕事も無くなったので、地域とかクライアント様の会社の掃除をしていまして。やることもないので社会貢献(笑)。
で、その時ある会社さんに声を掛けられて、「ひとが余っているなら仕事を紹介しようか」と言われました。請負の仕事は創業前からずっと毎日夢みた「青写真」をそのままコピーしたようなものでした。不景気でたまたま舞い込んできた仕事ですが、よく自己啓発とかで言われるように“潜在意識まで届く”という事を実体験した出来事でした。
- 掃除とリーマンがキッカケだったのですね(笑)。
渡邉:それからは頂いた仕事に邁進しました。一時的に売り上げを落としたものの、業績は割と良く今まで以上に回復しました。今振り返ると、実はリーマン・ショックの時はそんなにダメージでは無かった。悪いこと、つらいことなんて創業時を振り替えれば(笑)。
- でも「ドンッ!」と落ちたわけですよね?
渡邉:創業時の方がもっと大変でしたよ(笑)。今振り返るとそんな驚きもダメージもなかった。実は、本当の辛さを味わったのはリーマン以降。ここまではやりたい事、自分の思い描いた仕事もできて、この時に過去最高の売り上げを更新。2011年7月には自社工場を設立することができました。もうウッハウッハの有頂天‼
- で、またここで深い谷が……。
渡邉:あのリンゴマークのスマートフォンの登場がすべてを変えました! 伸びきった鼻を「スパーン!」とへし折られましたね。 スマホの登場が世の中のすべてを変えてしまったのですよ。カメラもゲームも情報収集もスマホ1台あれば事足りるのですね。「スマホのなくして、今の世の中は考えられない」そんな時代が来ました。しかし、そのスマホの液晶は、自分たちの作ったゲーム機とは別の技術のモノでして。「ガラパゴスケータイ」、いわゆるガラケーにも使われていたモノ。だから仕事を受けていた会社も、スマホの急激な普及に反比例して生産が一気に止まりました。
― スマホの登場が原因だったのですか。
渡邉: でもこのとき一番辛かったのが、5年やり続けて立てた目標を達成し自分たちの工場を持ち「さぁ、これからだ」という時に、次の目標に対し邁進するモチベーションが無くなったという出来事。5年前のようにギラギラした熱がない。それと同時にみるみる売り上げも落ちました。
- せっかく工場を建てたのに仕事がない…。
渡邉:工場を建てたのに仕事がゼロ。「ここまで自分たちの仕事をもつことが難しいものか!」と、理想と現実の乖離に打ちのめされました。あの時、リーマン・ショックよりスマホの登場より、本当に怖かったのは「モチベーションを落とす」ことだったと思います。
- そうだったのですか。
渡邉:ここが過去最高の波でした。周りの経営者たちや、会社の専務にも「……もう、あかんかも」と弱音を吐きましたね。
リーマン・ショックのピンチをチャンスに変え過去最高の売り上げを叩き出した。しかし、あのスマホの登場により一気に転落。今までにないほどの危機に面した社長ですが、ここからまた這い上がります! ここからの話はまた次回に。
代表取締役 渡邉義信
「人」とのつながりを重きに置く、お客様第一主義のアウトソーシングカンパニー『株式会社 プロダクト・マイスター』代表取締役。
好きな食べ物:肉(主に鶏肉)「肉は裏切らない」
株式会社 プロダクト・マイスター
【住所】福井県鯖江市糺町21-1
【電話】0778-53-1231
【HP】あり
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