日々URALA(ウララ)

[WATANABE語録⑥]時間はモノを解決しない、熱意だけでコトは成就しない。

モノづくり専門のアウトソーシングカンパニー『㈱プロダクト・マイスター』渡邉社長のドタバタ人生劇場第6弾。前回は、リーマンショックを乗り越えたものの、仕事へのモチベーションを落としたことで経営危機に陥った、というお話でしたが(前回のエピソードはコチラ)。今回はどう切り抜けて現代までたどりついたのか、そしてコロナ禍の話題について触れたいと思います。Here We Go!


渡邉:少し話しを遡りますが、まず創業時に旧・武生に小さいオフィスだけを構えました。その時から従業員たちと“自分たちが働ける場所、自分たちの帰れる家”、すなわち工場を5年後には作ろうという話をしていたのです。それでちょうど5年後、2011年7月に今の鯖江に移って来たのです。

― 目標どおりに達成できたのですね。

渡邉:自分の計画通りに達成しただけに“天狗”になっていましたね。「おれって天才」かと(笑)。でも、達成感に満たされていたときに、ふと思ったのですね。「次におれは何をすればいいんだ?」と。だから、この先どうしていけばいいんだとだんだん不安になりました。創業時にふつふつと湧いた熱い想いのようなものもなく、明確な目標もみえない…。そうして自問自答しているうちに焦りが出てきたんです。気持ちと比例して業績もどんどん落ちる。もちろんこの先の明確な事業計画がなければ銀行からの融資も請けられません。
 焦れば焦るほど、なんでもかんでもお客様から仕事を請けるようになりました。計算もしないまま何の仕事でも請けてしまうから、儲けがなく赤字が増える一方……。自分でも悪い方へと動き出しているのがわかりました。この悪い時期が3年ぐらい続きましたね。


― そこから巻き返すためにどういう動きがあったのですか?

渡邉:迷走期は人と会い情報を取りに、そして色んなアドバイスをいただけないかと、しょっちゅう東京に行きました。で、そこで出会ったある社長と「ECサイト」の物流をやろうと話で盛り上がり、新たな部門を立ち上げました。

― 製造会社が物流の事業に乗り出したと?

渡邉:そうです。実は物流の事業をつい最近までやったのですがこれは大失敗に終わりました。ただの失敗ではなく“大”のつく失敗(笑)。あの時はとにかくどうにかせなアカンと焦っていましたから。物流部門も当時の波に乗っただけで計画性が無い。だから失敗しました。
 でも、失敗を失敗で終わらせたくないというウチの社風があったものですから、そこで「こんな失敗で終わらせてたまるか、利益出したる!」という、従業員の“底力”を見て目が覚めました。今までの5年間は「オレが凄い!」と思っていましたが、本当に凄いのは従業員たちだったのです。

渡邊:そこで今の時代に必要なことを色々覚えました。物流のことで、例えばオーダーが入ると1日に何千もの発送があるわけですよ。そこから発送物をピッキングしに行きます。最初は手でやりましたが、コレは非常に間違いが多い。だから毎月ある棚卸は朝までかかりました。とにかく数が合わない。利益の損失にも関わります。

― 朝まで……、なら残業代は?

渡邉:もちろん出ます。人件費もハンパじゃない。その後にピッキング作業をバーコードで管理するシステムに出合いました。10時間もかかる作業が2時間くらい。エラーも無くなりました。
 そこで改めて感じたのが、テクノロジーにより作業を効率化できるということと、従業員の熱意、向上心の高さでした。コレをキッカケにもっと新しい技術を取り入れてウチの従業員たちに活かすことはできないかと考え、その後ひたすらテクノロジーを勉強しましたね。IoT、AI、5Gでしたり……。でも本を読んでもさっぱりわからなくて(苦)。だからいっそのこと分かる方に教えてもらおうと某大手電機メーカーの本社まで入り込みました。

- 凄い度胸!

渡邊:でも、その事がキッカケで、製造はもちろんマーケティングのこともアドバイスをいただくような関係になって。さらに「面白いことをやっている人たちがいる」と発信してくれたおかげで色んな所から仕事が舞い込むようになりました。
 さらに今回コロナ禍で色んな制約があって社会と世界も変わるでしょうし、それに対応しようと思うと、自分たちが勉強してきたことが活きてくる。一朝一夕で出来ることではないですから。


渡邊:これまでの苦難は周りの人たちの力無くして乗り越えられませんでした。時間が解決するわけではない、熱意だけでコトが成就するわけでない。指揮を執るうえで人には負けない勉強量、知識量、そして行動力が必要だということが重要だと改めて解りました。
 そして我々、苦難を乗り切ることには結構慣れていますからね(笑)。以前に「派遣村」の時にも色々ありました。だからその時、どう対応したらいいかという危機回避の知識がスデにあったので乗り越えられました。

― そういう形で、工場設立から現在までに至ったのですね。今回も色々お話いただきありがとうございます。

代表取締役 渡邉義信
「人」とのつながりを重きに置く、お客様第一主義のアウトソーシングカンパニー『株式会社 プロダクト・マイスター』代表取締役。
好きな食べ物:肉(主に鶏肉)「肉は裏切らない」

株式会社 プロダクト・マイスター
【住所】福井県鯖江市糺町21-1
【電話】0778-53-1231
【HP】あり




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