【かずのすけの美容塾】

教えて! かずのすけ先生! マスク着用で油断していたら、唇が荒れてピンチです!

2021/02/08

Q:マスク着用で油断していたら、唇が荒れてピンチです!

イラスト/サキザキ ナリ

ただでさえ冬場は唇が乾燥して荒れやすくなりますが、昨今だとマスクなどの摩擦刺激も加わってさらに唇荒れが起こりやすくなっています。リップケアは普段よりも入念に行う必要があるでしょう。

まずリップケアにおいて重要なこととして、リップクリームには「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」のリップクリームがあり、例えば口唇炎や口角炎、唇が切れてしまったなどの症状の際には医薬品のリップクリーム(例えば『モアリップ』など)が有効です。しかし最近はこのような医薬品リップを、SNSの影響もあり、とても効果が高いからといって日常的に化粧品のリップクリームのように利用してしまっている人が増えています。これはとても危険で、実は医薬品リップは長期的に継続してしまうとかえって副作用で唇が荒れやすくなってしまう場合があるのです。医薬品リップを常に使っていて、他のリップクリームに変えると必ず唇が荒れてしまう人は要注意です。医薬品リップは症状がある時のみ使用して、症状が収まったら普通の医薬部外品や化粧品のリップクリームを使いましょう。

次に日常的な保湿ケアについてですが、僕がとてもお勧めしているのは「Wリップケア」です。これはあくまで僕の個人的な分類ですが、リップクリームには保湿力が高い「油脂」を主成分にしている「油脂系リップ」と、保護能力が高いワセリンなどの「炭化水素油」を主成分にしている「保護系リップ」があります。例えば安価なものだとロート製薬の『リップベビーナチュラル』はマカデミア種子油を主成分とした油脂系リップ、『ケアセラリップクリーム』はワセリンを主成分とした保護系リップです。この2つを組み合わせて使用することを「Wリップケア」と呼んでいます。

油脂は皮脂の主成分なので、肌の保湿や正常なバリア機能にはとても大切な成分なのですが、唇には元々皮脂腺が存在しないため、どうしても唇の油脂分は不足しておりバリア機能が低下しがちです。しかし一方で市販のリップクリームは油脂系がとても少ないので、多くの人は保護系リップのみしか使っていません。そこで油脂系リップを最初に塗ってから保護系リップを上から重ねることで、より高いバリア機能を維持することができます。油脂系リップは保湿力は高いですが、保湿持続性や保護能力が低いので上から保護系リップを重ねると弱点をカバーできます。もし唇の乾燥に悩んでいる方は、Wリップケアを試してみて下さい。

かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー11万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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