【ハナ金 夜ふかし倶楽部】

書店員さんが最も売りたい本! 2021年本屋大賞ノミネート作から。気になる大賞は?

2021/02/17

全国の書店員さんが一番売りたい本を選び投票で決定する「本屋大賞」。2021年ノミネート作品10点の中から、「これが今回の大賞では?」と予測してピックアップ。なお、大賞は4月14日(水)の発表となります。果たして的中なるか?


逆ソクラテス

伊坂幸太郎 集英社

クラスのいじめ、無気力な教師、恫喝的なスポーツ指導といった問題を描いた短編集。5作すべての主人公は小学生。面倒な状況をやり過ごしたり避けるときの、子どもたちの言葉遣いがとにかく秀逸。
収録作「スロウではない」では、二人組が「ゴッドファーザー」の登場人物に扮して厄介ごとを片付けようとする。片方が「ドン・コルレオーネ」と呼ぶと「では、消せ」とマフィアのボスの真似をして返答。「非オプティマス」では、登場する少年が大ファンである「トランスフォーマー」の司令官のセリフをやたらと喩えに持ち出そうとする。「これは世を忍ぶ仮の姿」。
好きな映画に感化され、ポーズやセリフを真似したくなる気持ちはわかる! 作家デビュー20周年の節目となる、伊坂ワールド全開の作品です。




52ヘルツのクジラたち

町田そのこ 中央公論新社

「52ヘルツのクジラ」とは。他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさん仲間がいるはずなのに、何も届かない、届けられない。だから世界で一番孤独だと言われている。
そんなクジラのように、登場人物たちは児童虐待、トランスジェンダー、DVに悩むが、誰にもSOSの声が届けられないという社会問題を描くストーリー。話が重くて途中しんどくなりますが、それだけに主人公の幸せを願わずにはいられなくなります! 52ヘルツの声は果たして誰かに届くのでしょうか。昔のラジオはアナログで、バチッとチューニングが合うと気持ちよかったですよね……古いか。




お探し物は図書室まで

青山美智子 ポプラ社

探し物は本ですか、仕事ですか、それとも人生ですか? いろんな人生の壁にぶち当たった悩める人たちが、ふとしたきっかけでたどり着いたのが街の小さな図書室。そこの司書からススメられた本をきっかけに、心が動き出し、前向きに人生の見方が変わっていく、それはまるで魔法にかけられたよう!
でも、司書が言うには「どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ」と。一冊の本との出会いが、人を幸せに変える。司書さん、私にもおススメの一冊をお願いします!




【本日のハナ金コンシェルジュ】
勝木書店 Super KaBoS 新二の宮店
清水店長
福井県最大級! 書籍は約20万部取り扱う新二の宮店。ここでなら素敵な本を出合えることは間違いナシ! またコミック、CDやトレーディングカードも多数販売。

勝木書店 Super KaBoS 新二の宮店
【住所】 福井県福井市二の宮5-18-8
【電話】 0776-27-4678
【時間】9:30~23:00
【休日】無休
【駐車場】あり
【HP】あり
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