“麺のプロ”宗近鉄也さんがお送りする麺好きのための連載「麺 to the future」。
今春、福井県とチョコレートの世界TOPブランド『GODIVA(ゴディバ)』が世界で注目されるZENをテーマにコラボ! この驚きのニュースに、『宗近製麺』さんも参加されていました。どうして? 内容は? 反応は? そこで今回は、コラボを企画・実現した「福井県交流文化部ブランド課 ブランド戦略グループ」朝井啓子さんに企画のことや、そばをはじめとする“福井ブランド”について考えていることをお聞きしました。

1. GODIVA×宗近!?
ZENの魅力に触れるメニューが東京で登場していた!
- 今年2/27(土)~3/21(日)、『GODIVA café Tokyo』(東京)で、福井県産食材や加工品を使った特別メニュー(6品)が提供されました。これって、とってもスゴイこと! 企画実施の経緯と反応を教えてください。
朝井さん(以下、朝井)「ゴディバ ジャパン」代表取締役社長のジェローム・シュシャン氏が大学生時代、初来日の際に大本山 永平寺を訪れたことがとても思い出深く、今回のご縁に繋がりました。『GODIVA café Tokyo』では従来からそばを使用した人気メニューがあり、そこに今回福井のそばを採用いただきたいと考え、県内のそばをいくつかリストアップしてご紹介しました。その結果、宗近さんのそばを採用いただいたんです。
宗近さん(以下、宗近) 朝井さんとは7~8年前、野菜ソムリエの会合でお会いしたのが初めてでしたね。
それで、弊社からは「宗近蕎麦のビーガンサラダヌードル」のそばを提供しました。オファーをいただいた時は、チョコレート? どうして? 不思議?と疑問点ばかりでした。朝井さんから連絡で“サラダそば”というキーワードだけを聞き、「野菜に負けない、しかし主張しすぎない麺」をコンセプトに、数種類のそばをご提案しました。その中から、福井県産在来種の中でも個性の異なる3種類の玄蕎麦(そば粉)をブレンドした、極太の平打ち二八蕎麦を選んでいただきました。
「オファーを受けて、先方にお渡ししたうち、1つは既存品、残りはこれまでの経験をもとに、さまざまな配合での、研究成果を発揮して作りました」(宗近さん)
- メニューの総称は、“ZENの魅力に触れるビーガンカフェメニュー”。「宗近蕎麦のビーガンサラダヌードル」には、打ち豆や九頭竜まいたけ、青豆厚揚げなども使われています。
朝井 ゴディバカフェのシェフからは「福井には魅力的な食材が多く、素材そのものが美味しい!」と言っていただきました。コロナ禍による外出規制がなければ福井にも来ていただき、生産現場を見たり、生産者ともお話していただくつもりでしたが…残念!
宗近 私も東京に行くことができず、「宗近蕎麦のビーガンサラダヌードル」は結局、味わえずじまい…残念!
朝井 今回の成果としては、期間限定ながら特別メニュー6品すべてが上位にラインナップするほどの人気ぶりでした。高品質であることはもちろん、東京駅近くのお洒落なカフェでありながら620円という手頃な価格、テイクアウトOKという部分も大きなポイントでしたね。さらに、“ビーガン”“ZEN”という言葉も、特に流行に敏感な女性の心にヒットしたのでしょう。
宗近蕎麦のビーガンサラダヌードルの他、九頭竜まいたけと青豆豆乳のシチュー、ビーガンチョップドサラダ 黄金の梅ドレッシング、とみつ金時と羽二重餅のスイートポタージュ、玄米アンパンワッフル with GODIVAチョコレート、エルダーフラワーウメネード
2. 蕎麦とチョコレートの
新たな愉しみ方を企画中!
-“そば”というだけでなく、「体に良い」「ビーガン」「ZEN」などから福井を紹介していくのは効果が期待できますよね。
宗近 福井のそばは“越前(おろし)そば”と言われますが、あえてその言葉だけに頼りたくないし、脱却したい! もちろん、昔からある食文化なので大切にはしていますが、今までとは違うファン層を獲得するには、別のアプローチ法が必要だと思っています。
朝井 越前おろしそばは、すでに揺るぎない地位を獲得していますからね。私たちブランド課も食材のPRだけではなく、それを作り上げた風土や食文化、ストーリーに加え、今回のZEN、ビーガンのようにイメージとして作っていきたいと考えています。例えば、そばの在来種の風味や味わいの素晴らしさ、それを長年守り続けている生産者のことなど、素材に物語があることで食材はより魅力的に、美味しく感じられるはずです。
そして実は現在、今回のご縁からの展開で、<福井発 蕎麦とチョコレートの新しい愉しみ方の発信>を企画中です。まさに“そばを食べた後にチョコレートを”という企画で、そばメニューによってマッチするさまざまなチョコレートの提案や、ガレットとの組み合わせも良いなと。今年の秋ごろから、県内そば店での実施を考えています。
宗近 例えば、そば湯とカカオの組み合わせは合うと思いますし、何よりそばとチョコレートの組み合わせは斬新! 期待しています。
-おもしろい試みになりそうですね。
早く食べてみたい!
朝井 「ゴディバ ジャパン」が最も大切にしていることは、「チョコレートを通じて世界の皆様にハッピーをお届けすること」。福井県も、幸福度日本一で「FUKUI HAPINESS」を発信しています。福井のそばとチョコレートで幸せになっていただければうれしいですね。
宗近 美味しいものを食べて怒る人はいませんからね。
朝井 昨今推進されている「SDGs活動」も含め、ゴディバ ジャパンでは“地域応援”にも力を入れていく方針で、47都道府県のうち、最初が福井県なんです。私たちはこれまで、「○○を使ってください」「〇〇はいかがでしょうか」とお願いが大半でしたが、これからはお互いが協力し、PRできる間柄にならなければと考えています。
宗近 お互いが協力する中で私たちは、そばの香りや食感をどう生かすか考えつつ、メニューに応じたバランスの良い食材を提供できるよう努力を続けていくつもりです。
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3. 「ZEN」「ビーガン」という言葉で福井をPR!
-これまでにも、福井県と他社とのコラボレーションはあった?
朝井 「DEAN&DELUCA」や「グランフロント大阪」「無印良品」などとのコラボレーションを行なっています。また、3年ほど前、化粧品ブランドの「utena(ウテナ)」から「県産物で肌に良いモノを教えてください」との依頼があり、いろいろなモノの提案や生産現場などをご紹介しました。その結果、福井県産の棗(ナツメ)を取り入れた商品が完成し、今年の5月から販売されます。
宗近 棗(ナツメ)! ビタミンCや鉄分、葉酸などが豊富に含まれているということで、弊社の薬膳そばにも練り込んだことがあります。
朝井 3年前の種まきが今年、実を結びました。福井の魅力を多方面に種まきをすること、それもブランド課の大切な仕事の一つです。
宗近 生産現場を見たり、県産食材を食べたり、その場の空気感を感じることって大切ですよね。「この人たちが作っているなら…」とわかることで、食材を使ってみたくなるし、発想も広がるし…。
朝井 福井県産そばの魅力は、他県には少ない在来種が多く残っていること。でも、言葉だけではなかなか伝わらないので、ぜひ福井に来て、そば畑を見て、小粒なそばの実を触って、その上で美味しさを味わってほしいですよね。
-言葉といえば、先ほどの“ZEN”や“ビーガン”。福井と組み合わせることで、いろんな楽しいことが出来そうです。
朝井 ZENやビーガン、そこから派生する美への憧れ・欲求は、多くの人が関心を寄せる世界共通の言葉であり、要素です。福井県は大本山永平寺をはじめ、浄土真宗など人口当たりの寺院数が全国トップクラスの信仰心の厚い地域であり、ZENやビーガンがある素敵なところとしてPRできるし、他県にはない特徴にもなると確信しています。
宗近 暮らす人、訪れる人のライフスタイルにも響きますよね。
朝井 言葉だけではなくその内容も理解していただき、県内メーカーや飲食店の方にはビーガンメニューなどを開発してほしいですね。
-ビーガンメニューは、海外からの観光客(インバウンド)にも人気が出そうです。
朝井 コロナ禍が明けたら、インバウンドも戻ってきます。そうなった時にビーガンメニューがあることで、福井県は選ばれやすくなるはずです。福井県には宗近さんをはじめ、良いモノを作っている生産者の方がたくさんいらっしゃいます。行政だけではなく、その方々とともに、福井県をもっと広くPRしていきたいと思っています。
宗近 いろんな方と協力、連携しながら、福井県やそばの魅力を広めていきたいですね。
「福井県交流文化部ブランド課 ブランド戦略グループ」 朝井啓子さん
鯖江市出身。県職員として約13年間農林部に所属し、8年前にブランド課へ。福井県ブランドの中でも“食”に関することをメインにイメージ戦略を図っている。
宗近製麺(むねちか)
【住所】福井県越前市北町45-63-1
【電話】0120-22-3139
【時間】10:00~17:00(日曜、祝日除く)
【HP】あり
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