【暮らしを豊かにする私の巣づくり。】
2021/06/11
連載「暮らしを豊かにする私の巣づくり」では、自然素材のカーテンやそのハギレで布雑貨を製作する福井のファブリックブランド『KURASIKU』とコラボレーションして、福井で購入できる“暮らしに取り入れたい”とっておきのアイテムたちをご紹介します。
直に座ったり、ごろんと横になったり、子どもの頃から慣れ親しんだ「畳」。洋室が定着し、お家の床のほとんどがフローリングになっても、どこかに畳のスペースが欲しいと思いませんか?


日本固有の敷物である「畳」は、古くからこの地の自然・風土の中で育まれ、私たちの生活様式を支えてきました。誰もがきっと感じたことのある、畳特有の感触や香りがもたらす安らぎは、かけがえのないものです。
今もなお、私たちの心をつかんで離さない「畳」ですが、その魅力は原料の「い草」にあります。天然素材なので身体にも環境にも優しいのはもちろんですが、空気中の有害な化学物質を吸収して浄化したり、温度や湿度を調節したりとさまざまな機能を持ち、夏でも冬でも常にお部屋を心地良い空間にしてくれます。

い草は熊本県産が国内生産量の約9割を占めていますが、一般に普及している畳の多くは外国産が使われています。そのため、熊本のい草から作られた畳は2割程度しか市場に出回っておらず、中でも厳選されたものは高級・最高級品と称されています。
熊本のい草は、徹底した土壌管理により高品質に育ちます。さらに、収穫したい草を国産の天然染土で泥染めし、時間をかけて乾燥させることで、特有の香りや性能がより際立ち、青く新鮮な状態を保つこともできます。農家さんたちの苦労なくして良いい草は生まれないのです。

そんな熊本産のい草を用いた畳を製造販売しているのが、坂井市丸岡に店を構える『鳴尾畳店』です。こちらの畳は、熟練の職人による完全オーダーメイド。お客さんのライフスタイルや用途に応じて、比較的安価なモノから上級品まで、最適な畳を提案・提供してくれます。
畳は、土台となる「畳床(たたみどこ)」、表面の「畳表(たたみおもて)」、フチ部分の「畳縁(たたみべり)」で構成され、これらを縫い合わせることで完成します。今は機械縫いが一般的になっているそうですが、『鳴尾畳店』では、昔ながらの手縫いで製作することも。質感や厚みをその手で確かめながら一針一針丁寧に締め上げていくため、大変な労力と時間がかかります。しかし、その分ハリがあって美しく、機械縫いでは出せない味わいのある逸品に仕上がります。


せっかく畳を新調したなら、大切に使い続けたいですよね。こまめに掃除をして清潔を保つのが基本ですが、畳は再利用も可能。畳床はそのままに、畳表を裏にして張り直す「裏返し」や新しい畳表に張り替えて表面をキレイにする「表替え」といったメンテナンスを施してみましょう。これで愛着のある畳と長く暮らせるうえ、エコにもつながりますよ。

最近では、扱いやすい人工素材の畳や置くだけの畳など、ライフスタイルの変化に対応した畳も登場しています。実際に『鳴尾畳店』でも「置き畳」の注文や問い合わせが増えているんだそう。マットのように床に敷くだけで、たちまちくつろぎスペースに早変わり。フローリングのお部屋しかないけれど畳の上で過ごしたい、という人にピッタリなアイテムです。


畳は、弾力性や吸音効果があるので、子どもたちの遊び場にもぴったり。また、洗濯物を畳んだり、読書やストレッチをしたり、家事や趣味のスペースとしても活躍。家のどこかに畳があるだけで暮らしの楽しみ方は広がります。
自然と人が集まり、会話がはずむ。かつては多くの家庭で家族団らんの中心に畳がありました。時代や生活スタイルが変わっても、どこか懐かしくて、ほっと落ち着くのは、畳が日本の気候や風土に適し、私たちの暮らしに寄り添ってきたからこそ。これからも畳は、“心のふるさと”のような存在であり続けてくれそうですね。
KURASIKU(クラシク)
【住所】福井県福井市羽水1-611 カーテンのカズマ内
【電話】0776-97-9066
【SNS】Instagram
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鳴尾畳店(なるおたたみてん)
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