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【かずのすけの美容塾】
2022/01/10
Q:老け見えの原因「シワ」を予防・改善するには?
元々2016年までは「化粧品ではシワの改善はできない」と言われており、化粧品で可能なシワ対策はもっぱら「予防」もしくは保湿やメイクによって「シワを目立たなく見せる」というものでした。しかし2016年に『POLA』が日本で初めて「シワ改善」の効能を医薬部外品として承認を受け、その後『資生堂』や『P&G』なども別成分で同効能の承認を得たことから、2017年以降は「化粧品でもシワを改善できる時代」となりました。
まずシワの予防法で最も効果が高いのは、「紫外線対策」です。シワができる要因については様々なものが挙げられますが、紫外線による「光老化」と呼ばれる現象がその要因の8割を占めているとする説が有力視されています。特に長波長紫外線のUVAに長期間に渡り暴露することで、遺伝情報に傷を付けてしまい、正常な皮膚の構成タンパク質(肌の弾力を司っているエラスチンやコラーゲンなど)が上手く生成できなくなることがシワの主な発生要因とされています。光老化は紫外線を浴びてすぐに生じるものではないためついつい軽視しがちですが、紫外線に当たるほどに老化が進むと心得ましょう。外出の際には必ず日焼け止めを塗るのが最も効果的なシワ予防です。
次に、「シワ改善効果」については現在3種類の成分が認められています。 1つ目が『POLA』が承認を受けた「ニールワン」と呼ばれる成分。上記のように紫外線に当たった際や皮膚刺激を生じた際に、皮膚内で発生してシワを形成する一因になる酵素「好中球エラスターゼ」という物質の活性を阻害する成分です。この成分は真皮と呼ばれるお肌の深い部位から発生している深めのシワの改善効果が期待できる成分です。ただし効果が出るまでには数カ月以上の継続利用が必要でやや時間がかかります。『POLA』社の特定の化粧品にしか配合されておらず、価格も高価なためレアな成分です。
2つ目は『資生堂』が承認を受けた「純粋レチノール」という成分。これは元々化粧品には「レチノール」という成分が汎用されていますが、それと同じ成分になります。肌の代謝を促してヒアルロン酸などの保湿成分を作ることでシワを改善します。ただしレチノールは分解性が高く、シワ改善の効能を取得するには処方技術や容器なども大切です。化粧品のものよりも「シワ改善」と記載された医薬部外品のものを選ぶほうが効果が期待できます。シワ改善成分の中では比較的即効性に優れ、浅めのシワへの効果が得られやすいです。
最後が「ナイアシンアミド」という成分です。『P&G』社が承認を得ましたが、これはメーカーの縛りなく様々な化粧品に配合できる成分です。肌の深部に浸透して、コラーゲンなどの生成を促しシワを改善するとされています。効果自体はその他の二種に比べて非常に穏やかですが、その分低刺激ですし、非常に低価格な成分なためプチプラ価格帯でも入手できるのが最大のメリットです。長期的に取り入れやすい成分ですね。
化粧品によるシワ改善効果は、美容医療などによる即効的なものではありません。あくまで化粧品ですので、効果はとても穏やかです。少なくとも数カ月~年間使用で効果の実感を得られるものと思って使用しましょう。また効果のメカニズムとしては予防効果的な側面も大きいため、シワがない状態の頃から使い続けることで、より効果的なシワ対策が可能です。日焼け止めと合わせて若いうちからスキンケアに取り入れいきましょう。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー16万人超。昨年12月、10作目となる最新刊『コスパ厳選!感動美肌ベストコスメ』(扶桑社ムック)を発売。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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2022/02/10
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