【気象予報士 二村千津子の風と雲】

「振り返られずにはいられない夏の暑さ」からの引きずる残暑に注意しましょ|気象予報士 二村千津子の風と雲

2023/09/01

気象予報士のふたむらです。9月に入っても「お暑うございます」

ことしの夏は福井県のみならず、全国的に異例の暑さになりました。
8月25日までの県内各地の猛暑日(最高気温35度以上)の日数を数えると、福井で27日、小浜で24日、などとなっています。

統計が始まった年はそれぞれで違いはありますが過去最多の記録を塗り替えた地点が6つ。
そのほかも、2番目か3番目には入っている状況です。 また、福井に関していうと、猛暑日も含み、最高気温が30度以上の日が7月14日から続いていて、8月25日現在も継続中。

実に43日なんですが、おそらく9月1日にかけても継続し続けているのではないかとみています。
これまで、最も継続した日数の記録は53日で1985年7月17日から9月7日まで真夏日が続きました。今回はその記録に迫る、もしくは塗りかえる可能性があります。

そして、寝苦しい夜も続きました。最低気温が25度以上の日を「熱帯夜」と言いますが、福井は8月25日まで32日連続の熱帯夜。敦賀にいたっては34日続いています。これは、これまでの記録をぶっちぎりで上回っています。

ことしの夏がどれだけ暑かったかを物語っています。

9月に入ると、確実に昼間の時間は少しずつ短くなって、秋分を迎えます。その後は夜の方が昼よりも長くなり、季節が進んでいくわけですが、ことしの9月は例年以上に残暑をひきずるかもしれません。

というのも8月24日に発表の1か月予報をみると、ちょっと“ひく”くらい赤が目立ちます。

特に9月前半までは平年よりも高い確率が80%。記録的な暑さの疲れをため込んだ後の長引く残暑、例年以上に注意が必要なのが「残暑バテ」です。
何でも「バテ」をつければ良いってもんじゃないですが、やっぱりバテちゃうんですよね。

また、昼間は30度近くあっても、日の入りが徐々に早くなることで、少しずつ、朝晩はしのぎやすい日が多くなり、朝と昼間の気温差が大きくなるのも残暑バテの原因となります。

現れやすい症状は「だるさ」「疲れやすさ」「食欲が出ない」などいわゆる梅雨バテ、夏バテと同様の体調不良です。これらを解消するためには、いたってシンプルなのですが、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、などです。

8月中は朝から夜まで30度近くあって、どんなに早起きしてもウォーキングする気になれなかった方も多いと思いますが、(私がそう(笑))少しずつマシになって、歩きやすくなります。寝苦しさも少しずつ解消されていくと思うので、しっかり寝る。こうしたことを心掛けるだけで、体調が整いやすくなります。

健康気象アドバイザーとして、おすすめします!

ことしの9月は、例年にない暑さを経験した後なので、体力には自信があって「バテ知らず」と思っている方も、「なんかしんどいな~」って感じたら、残暑バテかもしれません。しっかりといたわって、9月の残暑も乗り切りましょう。

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※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。


二村千津子(ふたむらちづこ)
福井市出身。気象予報士、防災士、健康気象アドバイザー。2008年7月から2009年9月まで、中京テレビ「おめざめワイド」「ズームイン!SUPER!!」お天気キャスター。2014年4月から2017年3月までテレビ朝日「モーニングバード」(現在は「羽鳥慎一モーニングショー」)にて「ふた天」を担当。同年4月からNHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」に出演中。アメブロ



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