【mago note】

MAGO STUDIO が三越前にオープン!

2019/08/05

あっという間に上半期が過ぎてしまいました。とうとう一年の半分が終わりました。この2019年上半期、僕は何をやっていたかというと、2月にアメリカ、ロサンゼルスで「Still A Black Star -Sustainable Capitalism―」という個展を開催していました。この時80点の作品を発表することができました。そして3月は日本に戻り、新しいスタジオを三越前に準備し、6月までにさらに80点のアート作品を作ることができました。しめて、半年で160枚の作品を作っていたことになり、これは1日にほぼ1枚のペース! とても良いペースで描けていると思います。さて、この三越前の好立地に80坪のスタジオを作ったことにより、数多くの方々に作品を見てもらえる機会も増え、気づけば毎日のように作品を描きながら、ガーナのこと、これからのサスティナブル社会へのこと、世界平和や環境保全の方針などを話す機会を得ることができました。少しばかり家賃の高い場所での制作というチャレンジでしたが、結果それ以上のリターンがあり、借りてよかった! と心から感じているところです。人生は判断の連続、自分が絵で稼いだお金をさらにどこに投資していくか? その判断で自分の人生も、周りの環境もそして自分の絵画の様子も変わっていくこと強く感じています。

今回の新アトリエオープンでもっとも深く関わることができたことがあります、それは『日本環境設計』の岩本会長との出会いです。彼は今世界で注目されている世界最新のリサイクルテクノロジーを持っている会社の創設者です。岩本さんの会社は霞ヶ関、僕のスタジオまで電車に乗ってほんの数分、このお互いの立地の良さも手伝い、僕のアートと岩本さんのテクノロジーが今後どう手を結び合い、そして実りを成していくのかを、毎週何回も話し合ってきました。絵を描きながら、これからの美しい地球を残すために必要な技術、アート、サイクル、そしてみんなが参加できる場所を作ること、それが大事だと岩本さんから習いました。そして私たちはついに手を結び合う――。今問題になっている海洋プラ問題、今ガーナで行なっている電子機器の廃プラ問題をテーマに制作している僕のアート作品。この問題を解決してしまう、二人のコラボ作品が生まれたのです。岩本さんは海洋プラを分子レベルまで戻し、そして再結合してポリエステル繊維のTシャツを作ってしまったのです。なんとプラごみから匂いも、汚れもない製品を生み出してしまったのです。そのTシャツに僕のガーナスラム街の皆んなの願いが詰まったアート作品がプリントされているコラボTシャツを発表したのです。つまり地下資源依存のないTシャツを作り上げてしまったのです! 物理的完全環境保全と、精神的環境保全の僕のアートが見事に仲良く手を取り合い、一枚のTシャツとして形をなす。実際にこの文章を書いている今もこのTシャツを着ていますし、毎日このTシャツの袖に手をくぐらせています。つまり、毎日このTシャツを切ることで、地下資源の石油を使わず、なおかつ海の海洋プラを減らす素晴らしいサーキュラーエコノミー、循環型社会を、毎日服を着るだけで参加しているのです。僕と岩本さんはお揃いのBRING MOON MATE by MAGO のコラボTに身を包み、6月21、22日の両日、MAGOスタジオオープン記念イベントを開催しました。会場には300名を超える来客、80坪あるスタジオもパンパンになっていました。僕はガーナの真実を、岩本さんは彼の取り組み、そして私たちの今後の取り組みを来てくれた皆さんに向け1時間に及ぶ熱いトークを繰り広げました。
岩本「皆さん、これからはマゴくんが活動している、ガーナスラム街のプラもうちの工場に持ち込み再生して、皆さんにこのTシャツを買ってもらい、ガーナスラム街のゴミが減らせるようにしていきますよ。決してマゴくんだけでガーナスラム街の皆さんを救うのではなく、皆さんの行動が彼らを救う。そんなことを、Tシャツを買うだけでできるようにします」。一同は大きく何度も首を縦に振る。
マゴ「そして僕は来月からまたガーナに行って、スラム街に『MAGO E―WASTE MUSEUM』を作ってきます。スラム街に今までなかった文化のエンターテイメントを作っていきます。彼らは今まで毒ガスを吸いながら、家電を燃やす労働しかありませんでした。そんな彼らにアートというエンターテイメントを提供し、文化を育み、そして雇用を生む。そしてそれらを見た海外のジャーナリストや観光客がこの問題を知り、変えていく。サスティナブルの概念をこのスラム街に導入していくのです。僕は現地に落ちている家電ごみを使ってアートを作り、彼らの生活を豊かにさせてみせます! これが僕が導き出した“アートで彼らを救うプロジェクト”です! さらのこの活動を前回ロサンゼルスで知り合ったハリウッドの映画チームが、ドキュメンタリー映画の制作をしてくれることになりました!」。
岩本「みんなでレッドカーペットを目指しませんか!?」。

その瞬間、参加者全員が大きく拍手をしてくれました。僕と岩本さんはそんなことを1時間のうちに話し、会場は熱気に包まれました。そして僕はそんな中、スラム街探索用の長靴を履き、おもむろにアコーディオンを肩にかけたのです。
マゴ「皆さん、今から世界で初めてのライブペインティングを見せます」。
 僕は自分が作ったガーナスラム街をモチーフにした映像作品を、スタジオの白壁一面にプロジェクターで投影しました。そして、スタジオ一杯に広げられた幅4メートル高さ5メートルのキャンバスの上を、自ら演奏するアコーディオンと共に映像作品が上映される8分間踊り続けました。実はキャンバスの上にはあらかじめ5色のペンキが置かれており、映像作品を上映しながら、手で音楽を奏で、ペンキをつけた長靴のフットペイントで絵を描く。唯一無二、世界初のライブペインティングがここに誕生したのです。その時の動画を以下に記録しました。

アコーディオンの哀愁の音色と、プロジェクターに映し出されたガーナ、アグボグブロシーの世界。探検用の長靴でそこを探検するような情景に会場は包まれていました。この8分間のライブペイントで僕が伝えたかったこととは――。
マゴ「皆さんこの作品のタイトルは『We Are The One』です、みんなは一つです。黄色人種の黄色、白人の白、黒人の黒の人種の色を一つの顔に表現してみました、向かって下側が首で、スラム街にある家電で目や口を、福笑いのように配置してみました、てっぺんに見えるのが髪の毛です。要するに、僕がスラム街を変えたいという歩みを止めなければ、このキャンバスに残された足跡が一色になろうと混じり合うように、この三人種の原色を僕が歩み続ければ、それらは一つになって一色になる。アートは僕たちに教えてくれています、歩みを止めなければ必ずみんなは一つになれる。僕は彼らが救えるその日まで、この歩みを止めることはありません。このスラム街が浄化されるまで僕は絵を描き続けます。これらの色が一色になった風景を見てみたい――」。
 僕はそう言い残して、アコーディオンを下ろし、来て頂いた皆さんに対し、これから一緒に世界を循環型資本主義社会(サステイナブル・キャピタリズム)にシフトしていきましょう! と声を上げました。その瞬間、数百名の観客から大きな拍手が湧きました。この日本橋、すべての商いが始まったこの町で、新たなサステイナブルキャピタリズムという概念をアートで知らしめる、常にアートは社会に、この世の中に影響を与え続ける強い精神を、作品という物体に留めメッセージを放つ、その思いが清く強ければ強いほど、それは作品の魂としてオーラを放つ――。

2019年7月20日、僕はいよいよ5回目のガーナのスラム街アボグボブロシーを訪れます。今回はこのスラム街に文化を植えつける美術館を作りにいきます。この地でただ生まれ、ただ癌になり、30代で死ぬことしか許されなかった彼らの人生に、この街に、アートミュージアムという文化施設を興行し、エンターテイメント性と新しい収益モデルを投入する――。アートは僕の人生を豊かにしてくれたように、彼らの人生をどう豊かにしていくか、7月から長期滞在して挑む、この電子廃棄物美術館の物語をまたこのMAGO NOTEで綴ることにします。

次回5回目のアフリカガーナの冒険の再開をお楽しみに。

美術館 長坂真護 (HP)

#コラム#アート#連載

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