【気象予報士 二村千津子の風と雲】

8月の猛暑対策には福井名産の「アレ」! 活用法をお伝えします|気象予報士 二村千津子の風と雲

2024/08/01

暑中お見舞い申し上げます
(もうまもなく立秋で“残暑”のシーズンですが…)。

気象予報士の二村千津子です。
皆さん、お変わりありませんか?私は梅雨明け前からかなりバテ気味です。

先日、夏の土用の入りに合わせて、うなぎをいただいてエネルギーチャージしました。

うなぎといえば、「土用の丑の日」が定番ですが、そんなこと言っていられないくらいスタミナつけないとやっていられないですね。(ちなみに今年の土用の丑の日は2回あって1回目は7月24日。もう1日が今月5日です)

「土用」については、以前触れているので、説明は省略しますが、今回は夏土用の期間の風習の一つ「土用干し」についてお話します。

この時期はちょうど梅雨明けの時期にやってくるので湿気やカビ、虫が気になる時期でもあります。昔から害虫やカビなどから衣類や本を守るために行われるのが「土用の虫干し」と言われます。
そして、梅干しつくりに欠かせない「土用干し」が本格化するのもこの時期です。去年の夏は、番組のコーナーで若狭町の梅の里会館さんのビニールハウスにお邪魔して、土用干しのお手伝いをさせていただきました(文字通りお邪魔だったかもしれない…)

この返しの作業を丁寧に行わないと、皮がやぶけてしまったり、形が崩れたり…と売り物にならないこともあるので、皆さん、手際いいのはもちろん、丁寧に返しておられました。

ビニールハウスの中は灼熱。こうした作業に携わる皆さんのおかげで、福井県自慢の梅干しが出来上がるのですね。
そして、この梅干しは、この猛暑を乗り切るための強力な助っ人になります。

7月25日発表の1か月予報によると、8月の北陸地方は

気温はもはや安定の高温傾向…8月は暦の上では秋を迎えますが、この上旬が1年で最も暑い時期にあたるので暑い夏以上の暑さ…ということになります。

そこで梅の登場です。梅には疲労回復に効果があるとされるクエン酸、それが梅干しになると塩分も一緒にとれるので、活用しない手はないわけです。

梅干し1個をパクっと食べるのでももちろんいいかもしれませんが。熱中症対策としては水分補給も肝心ですから、わたしは、つぶした梅干し1つとはちみつを少しのお湯でちょっとまぜて、あとは水を足して飲むようにしています。まぜたりなんだりが面倒な方は、麦茶の中に投入して混ぜるのもおすすめです。

さて、ここからは8月以降、ちょっと気がかりなお天気の話をします。

7月下旬から日本の南の海上がちょっと騒がしくなってきました。雲を発達させる「対流活動」が活発になっています。台風3号、4号が立て続けに発生しました。

先月26日の雲の様子を見ても。台風3号の雲のほか、赤道付近にまっしろな雲がわちゃわちゃしていて、不穏な空気です…
ことしは5月に2つ発生したあと、6月はゼロ。7月後半にようやく発生しましたが、例年に比べるとスローペースです。この「台風が生まれなかった期間」が長かったことで、日本の周りの海水の温度がいつもの年より、とても高い状態になっているんです。

そして、例年よりも日本の周りの海面水温は高くなっています。

赤が濃いほどいつもの年より海水が温まっていることを表しています。北海道の太平洋側で赤が濃いのが目立ちますが、若狭湾付近もピンク色です。

海面水温が27度以上ある海域では台風は勢力を維持したまま進みます。先月の時点で、関東の東の海上まで27℃以上の海域が広がっています。つまり、台風が北上してきたら、このあたりまでは台風の勢力を落とさずに近づく恐れがあるということです。

今後の台風情報にくれぐれも注意しましょう。台風は5日先までの予報が発表されます。「備えられる」災害の一つですから、情報の入手の仕方など、確認しておきましょう。
台風の仕組みや台風情報の見方などは、2021年9月のコラムを参考になさってください。

南海上が騒がしくなってきた一方で、7月の下旬以降は、北陸や東北が梅雨の終盤に記録的な大雨に見舞われました。梅雨の発表がない北海道でも大雨になったところがありました。
北陸地方の梅雨明けの発表も例年より遅くなっています。
東西に長い北陸地方は梅雨明け発表のタイミングが難しい地域ですが、このコラムを書いている7月26日の予報をみると、8月早々には新潟県も含めて晴れが増える予想なので、8月に入ると本格的な夏空が広がりそうです。ただ、梅雨明けするしないにかかわらず、ことしも福井にはたびたび猛暑の波が押し寄せています。

「自分は暑さに強いから…」と過信せず、しっかりいたわって、元気に8月を過ごしていきましょう!

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※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。


二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー 2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で 気象情報を担当。 この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして 気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ



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