【気象予報士 二村千津子の風と雲】
2024/09/01
こんにちは。
気象予報士の二村千津子です。
9月です。気象の区分ではきょうから11月までが「秋」です。
まだまだ夏の名残を感じまくる時期ですよね。皆さんは何で「夏の終わり」を感じますか?
わたしは夏の高校野球です。毎年時間があれば甲子園に足を運んでしまう、高校野球ファン(プロ野球も好きです)なのであります。
今年はなんと、地元の高校、つまり、北陸高校の試合を観戦することができました!
残念ながら、初戦を飾ることはできませんでしたが、ナマで最後まで見守ることができて幸せでした。
対戦相手の関東第一高校が決勝まで駒を進めて、敗れはしたものの、大熱戦を繰り広げてくれました。そして、「今年も夏が終わったな~」と思いました(笑)
それにしても、今年の夏も高校球児にとっても応援する私たちにとっても過酷な暑さとなりました。
全国的な話をすると、福岡県の太宰府という所では35℃以上の猛暑日が38日続くという、信じられない記録が打ち立てられています。コラムの締め切り迫る(笑)8月25日時点でもまだ継続中です。
真夏日が1か月続くのでも十分につらいのに、猛暑日が38日って想像するだけでも熱中症になりそうです。
福井の暑さもまとめておきましょう…8月25日までのデータになりますが、
30℃以上の真夏日は福井は60日、7月31日から8月25日まで26日間真夏日が継続しています。
そのほかの地点も小浜で57日、春江で55日など県内各地50日前後のところがほとんどでした。
福井は去年がダントツに暑くて、去年の暑さの記録には及んでいませんが、特徴的だったのが、夏の終わりの猛烈な暑さです。
8月23日、福井市は38.1℃を観測。8月の下旬に、ここまで上がったことはありませんでした。その年の一番暑い日が8月下旬以降というのは2000年以降、2回しかありませんでした。
そして9月もまだまだ残暑が厳しく、秋の訪れはゆっくり…という見通しもある中、心配なのが台風の動向です。
ことしの台風の発生は5月に2個、7月に2個とスローペースでしたが、先月は1か月だけで、なんと6個の台風が発生しました。そのうちの一つ、台風10号が、この記事が配信されるころまでに、福井にも大きな影響がありそうなコースを示唆しているので、ちょっと心配です。
ここで、台風の「基本のき」をおさらいしておきましょう。
というのも、台風情報の見方を知っていれば、自分たちで心構えができるからです。
まず、台風には「強さ」があります。よく気象情報で「強い」「非常に強い」「猛烈な」という言葉を耳にすると思います。
この強さが何で決められているかというと、台風の中心付近の風の強さで決まります。台風の中心付近が近づくほど、風が強まるのはこのためです。そして、雲の様子をみても、その発達具合を知ることができます。
最盛期の雲を見ると中心付近にきれいな穴が開いています。「台風の眼」と呼ばれるもの。この穴がくっきりはっきりしているほど、中心付近の風が強まっていることを表しています。
近づく台風がどんな勢力なのかがわかったら、こんどは、どこを通るのかを確認しましょう。
台風経路図です。台風の進路は、台風の予報円といわれる、この破線の〇の中に台風の中心が進む確率が70%とされています。丸が大きければ大きいほど、進むスピードも方向もまだまだ定まり切っていないことを表していますし、丸が小さくなってきたら、だいぶ進路が定まってきたなと判断することができます。
実際に、8月25日午後3時の時点の台風10号の台風経路図を見ると、30日15時の予報円に福井県もすっぽりと入っています。そして予報円が大きいので、近づくタイミングや通過するコースは、現時点ではまだ不確かです。
それでも、3日先、4日先には福井にかなり近づくかもしれない、という危機感を持つことができます。
9月はまだまだ台風シーズン、秋雨前線の影響なども加わって大雨になる恐れもあります。
発表される情報を正しく把握して、しっかりと備えていきましょう。
※回答の掲載時期は未定です。全てのご質問にお答えできるとは限りませんので、ご了承ください。
二村千津子(ふたむらちづこ)
福井県出身。気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー
2017年から7年間NHK福井放送局「ニュースザウルスふくい」で
気象情報を担当。
この4月からはテレビ朝日の夕方の番組で気象ディレクターとして
気象コーナーを作る仕事に携わる。 アメブロ
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