2025/06/20

昨年の大河ドラマ「光る君へ」で藤原為時役を演じた岸谷五朗さんが6月15日、かつて越前国府の中心施設が位置していたと推定される越前市の『本興寺』を訪れました。

紫式部の父・藤原為時は、越前国司として平安京から派遣された人物。この縁をきっかけに、岸谷さんは昨年11月、越前市から「越前国府大使」を委嘱されています。
大使として初の現地訪問となったこの日は、越前国府の発掘調査や、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟を推進する市主催のイベントに参加し、一般参加者とともに『本興寺』境内での発掘作業を体験しました。

つなぎに長靴姿で登場した岸谷さんは、「大切なものを削ってしまいそうで緊張しますね」と慎重に現場を掘り進め、次々と遺物を発見。約15分の発掘作業で平安時代の須恵器と見られる破片を5つ掘り当てました。
かつて「たけふ」の地に位置していたことが文献に記されていながらも、いまだ正確な所在地が解明されていない越前国府。この日は国府の存在を裏付ける決定的な証拠は見つからなかったものの、須恵器の破片をはじめ、平安時代の人々の息遣いを感じさせる遺物が多数出土しました。

その後行われた担当学芸員・西脇さんとのトークセッションでは、発掘作業について「眠っていたものを掘り起こすというより、当時からずっとそこで生きてきた、存在し続けてきたものに囲まれているというイメージでした」と振り返りました。
また、時間制限がある中で多くの収穫が得られたことに触れて、「まだまだやってられます。もし夜中に一人で発掘している人がいたら、それは僕です」と冗談まじりに話し、会場を沸かせました。
ドラマ関連番組の撮影や大使のイベントで、すでに複数回越前市を訪れている岸谷さん。「もう“越前に来た”というより、“越前に帰ってきた”という感じがする」と言います。為時が生きた時代の越前にも思いをはせ、「為時は剛腕で国を動かしていくような強い政治家ではなかったのですが、越前国司に関してはきちんと全うできました。おそらく彼の人生の中で一番いい仕事ができたのが、この土地だったのではないか。それは越前の人々の穏やかさや、焦らない、ペースを乱さない空気の中にいたからだと思います」。

イベントでは、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟認定を目指すセレモニーも実施。昨年2月に自ら漉いた越前和紙に「伝統から創造へ 越前の文化を未来へ」と英語でメッセージをしたため、参加者に披露しました。
「光る君へ」の中でも大陸への玄関口として、国際色豊かな土地として描かれた越前。近年は越前和紙などの工芸品の魅力発信や国府発掘の機運も高まり、世界に注目されるまちへの道を歩み始めています。
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