【流行りのスパイス系も、昔ながらの王道も。好きです、カレー。】

老舗の看板カレーともう一皿。

2019/05/27

長きに渡り愛される昔ながらの
王道は絶対に外せないけれど、
個性あふれる一皿も気になる。

50年以上変わらぬ福井のカレーの代表格。

繊維産業の活況で街が賑わいを見せる昭和36年、福井初のカレー専門店として誕生した同店。大阪中を食べ歩いて見つけた名店の味をベースに、マスターが生み出した自慢のカレーは30数種類のスパイスと具材を３日以上かけて仕込んだ奥深い味。「旨いものにはお金を惜しまない」という姿勢を貫き続け、スパイスだけでなく塩や米など、素材の一つひとつにまで並々ならぬこだわりが詰まっている。昨年２月には長年営んだ店の近くに移転オープン。ゆったりとした空間でカレーを味わえるようになり、新たなファンも増加中だ。福井のカレーの代表格ともいえる名店の美味しさを堪能しよう。

◎もう一皿！

ドライカレーにふわふわのオムレツをのせ、カレーソースをたっぷりかけた。ドライカレーの爽やかな辛味を卵がやさしく包み込み、さらに奥行きのあるカレーソースが調和し一皿で3度楽しめる。「ふわふわオムドラ」1100円

開店当時からある時計や移転前から使い続けているシャンデリア、食器棚、レンガなども配され、どこか懐かしさも感じさせる新店舗

マスター西堀敏雄さん　
昭和8年生まれの85歳。現在は娘さんにカレー作りを受け継いだが毎日店に足を運び、生涯現役を貫いている。ちなみに店名の由来はカレーの名付け親とされる釈迦族の都城からとったもの

コーヒー&カレー専門店迦毘羅カビラ
【住所】福井県福井市順化1-10-1
【電話】0776-24-3885
【時間】10:00～20:00　ナイトタイム20:00～深夜1:00
【休日】日曜、祝日
【席数】19席
【駐車場】1台
【HP】なし

32年間妥協なし！通も納得の一皿。

福井駅前の変遷を見続けて33年。今や3世代で通うファンも多い同店のカレーは、仕込みから提供まで約5日間もの時間をかけて作り上げられる。他にはないこの味を求めて全国各地からカレー通が集まり、週に3〜4日通う常連客も少なくない。「〝カレーはモーニングトマトが一番〞と言ってくれるお客様を裏切らないよう、真摯に続けるだけ」との言葉通り、開店以来一日も休まずに大量のタマネギやスパイスを炒め、鶏ガラで丁寧にダシを取り、じっくりと煮込む。そうした妥協のない作業の積み重ねが、若者から年配者まで幅広い客を虜にするオリジナルの美味しさを作り出している。

◎もう一皿！

夏でも人気の熱々メニューは、カレー、ご飯、チーズ、卵をよく混ぜて味わうのがおススメ。パリッとしたおこげが香ばしく、辛さがマイルドなので子どもでも食べやすい。
「石焼きまぜカレーごはん」1050円（2019/05/22現在）

開店当時から変わらぬダッチコーヒーも店の名物。ご飯は米がつぶれないよう、あえて家庭用の炊飯ジャーで小分けにして炊いている

マスター長者久保勇一さん
アルバイトとして勤めていたこちらで前オーナーから店を受け継ぎ、20歳の時に開店。カレー作りは独学だそうだが、夏と冬でスパイスの配合を変えるなど、こだわりの味を追求している

モーニングトマト
【住所】福井県福井市中央1-9-30 大岡ビル2F
【電話】0776-23-5571
【時間】11:00～20:00（カレーが無くなり次第終了）
【休日】水曜、第4木曜
【席数】30席
【駐車場】なし
【HP】あり

３代で受け継がれる奥行きある旨さ。

「トミースペシャルカレー」970円

福井の洋食の草分け的存在であるこの店で、カレーは昭和23年の創業時からの定番メニュー。レシピは、第二次世界大戦後のGHQ占領下だった頃のもので、当時はステーキと同じ値段の〝高嶺の花〞だったという。これまで作り方を変えることなく、3代に渡って受け継がれてきたカレーは、自家製ルーが味の決め手。サーロインの脂で飴色に炒めたタマネギに小麦粉とスパイスを加え、オーブンでじっくり火を通して香りと旨味を引き出す。マイルドな甘さの後にじわじわと辛さが広がる奥行きのある味わいは、老舗の真骨頂だ。70年を経た今も、このカレーを目当てに訪れる常連客が絶えない。

◎もう一皿！