【メトロの灯】

映画と食べ物『パラサイト 半地下の家族』|メトロの灯

2020/02/18

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好奇心旺盛というか、食い意地が張っていただけなのか。幼い頃に触れた映画の思い出や印象は「食べ物」と共にある。幼稚園や小学校低学年の頃は、字幕を全部読めるわけがない。幼過ぎてストーリーを理解できないだろう作品も多々あったが、ありがたいことに父は喜び、「映画は感じればいい。興味があるなら観なさい」と、制限を掛けることなく観ることを推奨してくれた。

目の前に広がる異文化の世界は、とてつもなく広く深く、刺激的で、そして美味しそうだった。「理由なき反抗」の巨大な牛乳瓶のミルク(牛乳がキライなのに、あの牛乳なら飲めそう)。「俺たちに明日はない」の親に説得されながらC・Wが箱から食べているアイスクリーム。「サウンド・オブ・ミュージック」のピンクレモネード。「料理長殿、ご用心」の豪勢なフレンチ、などなど。きりがない。

今も料理や飲み物に目が行きがちで、劇中どおりにレシピを変えて料理したりする。もちろん、どんな映画でもじゃない。映画ともっと同化したい。鑑賞する以外のアプローチをとりたいくらいに感化されたり、強烈な何かを感じたりした時に、そんな欲求がむくりっと頭をもたげる気がする。そして身近で体現できそうな料理という方法を、私はとっているわけだ。
『パラサイト 半地下の家族』の劇中にでてくる韓国ジャージャー・ラーメン「チャパグリ」の作り方やレシピが巷では話題に。作品の公式ツイッターで作り方が紹介されるやいなや、TVで紹介されたり、タレントの指原莉乃さんやアナウンサーの加藤綾子さんが自作のチャパグリをSNSでアップしたり。
https://youpouch.com/2020/02/13/630933/

東京・新大久保の韓国食材ストアでは、店頭で材料のインスタントラーメン2種を使った試食をしていた。ブームになった、ということもあるだろうが、この映画が「影響力」ある作品ということを表す一つの例のように思う。多くの人々がそれぞれの方法で作品を鑑賞後まで楽しんでいる様子に、私はジーンとうれしくなっている。エンタメ性たっぷりに韓国の今を深くえぐったこの作品とともに、劇中と同じ料理を体験するという一歩踏み込んだ映画の楽しみ方が広がりつつあるからだ。次は、どのような鑑賞の楽しみが出てくるだろう? さらに進化し、多様になっていくに違いない。

メトロ劇場での上映日2/15(土)~ 終映日未定
上映時間などはHPでチェック!



パラサイト 半地下の家族
【公式HP】http://www.parasite-mv.jp/


メトロ劇場
【住所】福井県福井市順化1-2-14
【電話】0776-22-1772
【HP】あり
【SNS】Twitter(メトロ劇場) Twitter(メトロ劇場 支配人)



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