【炎上エンジョイ!】

下を向く君へ|ウーマンラッシュアワー村本大輔の炎上エンジョイ!

2020/06/24

村本大輔

ネガティブ過ぎる17歳の時の暗闇の世界から逃げ出そうと思ったのは当時、テレビでみてたお笑い芸人でした。バイトから帰り夜にテレビをつけ彼らをみて涙を流して笑っていました。寝る前もそれを思い出し涙が出るまで思い出し笑いをしてました。そしてお笑い芸人になろうと思ったんです。いま思えば「なりたい」ではなく「あの中にいたい」だったんだと思います。アメリカの映画を観てあの世界に入りたいのと同じように、あの中に入りたい、と。僕はやりたい事をやり行きたいところに行く。誰かが言う「お前には無理だ」だなんて声には惑わされない。大阪に行き、養成所に入りました。

同期はキングコングや山里などスター揃い。彼らは1年目から頭角を現してましたが僕は「行きたい、やりたい」だけで来たのでお笑いを作る能力は、ドラクエで言う「ヒノキの棒」レベル。でも、僕にはこれしかやりたいことがなかったしこれだけはやり通したかった。10年間、滑り続けました。でも客の笑い声がなくても、その無反応を信じ諦めるんではなく明日の自分はやれる、と明日の自分を信じ続けました。

そして漫才で、日本一に輝くことができました。嬉しかったことは、ずっとオーディションを受けていたときに自腹で劇場を勉強しに行き、その時観てたのが当時トップ劇場のトップだった、千鳥とノンスタイルで、その2組と、僕らで決勝を戦い勝って僕らが優勝したことです。あの時客席から観てた、あの、2組と全国の番組の決勝で戦って勝つ、それは子供の頃と、売れない芸人生活、合わせて20年近くの闇の中から、一瞬みえた光のようなものでした。

そこで思ったのはもしおれが福井にいたときにまわりから腐るほど言われた「お前には無理だ」と言う言葉を信じてたら、滑り続けてアンケートに書かれた沢山の「面白くない」と言う言葉を信じてたらあの瞬間は僕にはなかった。


次ページへつづく





日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!




#コラム#連載

  • ツイートするツイートする
  • シェアするシェアする
  • 送信する送信する