【メトロの灯】

『市川雷蔵祭』『フェリーニ映画祭』再起動へ。|メトロの灯

2020/08/06

作品の公開日の早くて半年前くらいから、映画館の番組編成やマスコミを対象に映画会社は試写会を実施し作品を世の中に売り込む。小さなスクリーンだが、音は本物。サンプルDVDやWEBのスクリーナーで観る場合とは違い、作品に圧倒的に没頭できる。映画を決定するうえで、わたくしは最も試写会を大切にしている。

コロナ禍で公開を延期する映画が増える中、試写会も一時中断されていたが、6月ごろからか試写状が、また、届き始めた。映画会社の担当者とは日々連絡をとってはいるものの、郵便受けに一枚、また一枚と届くハガキの凝ったビジュアルからは、業界の鼓動が聞こえてくるようだ。

ただ、ポストコロナの試写会は以前とは違う。もともと50席ほどの席数の試写室を1席空けにしたり、事前予約を必須にしたり。1時間前に行っても入れないことも珍しくない。ギリギリに滑り込むことも多い私には、少し敷居が高くなってしまった。そして、昨今増えているのが、関係者用のオンライン試写会だ。便利なのだが、作品のすばらしさや面白さを3割増し位にイメージを膨らませながら観なければいけない。

この3か月、Withコロナの映画館の存在意義について考えざる得なかった。6月まで新作映画の公開が少ない中、大手の映画会社は往年の名作を一挙放出の感でシネコンを中心に上映した。映画ファンにとっては垂涎。私も心が躍った。一方で旧作の名画の上映は、ミニシアターのお家芸の一つ。映画館で上映するタイミングを逸した作品が、ネット配信を先行して公開されたり、救済策の一つとはいえWEB上に仮想の映画館が立ち上がったりと、ネット配信の世界と映画業界がシームレスになる変化と合わせて、脅威を感じる。

今まで力を入れてきた監督の舞台挨拶といったリアルイベントに代わり、毎月特集上映を編成し、コンテンツの工夫でまずはメトロ劇場の再起動を目指す。劇場のコアファンの心を離さない作品を集めながら、いかに多くの人に作品を届けられるか。今一度、独自性やホスピタリティを考え直す時だ。


市川雷蔵祭

上映予定日:9/5~10/2 詳細はHP

名優 市川雷蔵の没後50年企画で代表作40本をデジタル修復などして19年に公開。上映可能な40作品で劇場アンケートを実施。福井が舞台の『忠直卿行状記』とアンケートで上位にランキングした15作品を一か月間上映する。




フェリーニ映画祭

上映予定日:10/3~10/30 詳細はHP

フェリーニの代表作の、「道 La Strada(1954年)」、「甘い生活 La Dolce Vita(1960年)」、「8 1/2  Otto e mezzo(1963年)」を含む6作品を1か月間日替わりで上映。


メトロ劇場
【住所】福井県福井市順化1-2-14
【電話】0776-22-1772
【HP】あり
【SNS】Twitter(メトロ劇場) Twitter(メトロ劇場 支配人)



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#コラム#アート#連載

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