福井県出身のシンガーソングライター、Sakura。バンドをやっている両親の影響を受け、小学6年生で初めてギターを持ち、16才のときに全編英語詞による1st CD『Leave The Nest』をリリース。現在、東京を拠点に活動をする彼女が7月15日、10代最後となる3rd CD『ETERNAL RIDDLE』を発表。アコースティックギターと歌のみで「今の自分」を表現し続ける彼女にインタビュー。
『ETERNAL RIDDLE』は「永遠のなぞなぞ」という意味。人生は一生を通して解いていく、なぞなぞみたい…。

――FM福井7月度のヘビーローテションに選ばれた「Way of Life」を含む3rd CD『ETERNAL RIDDLE』を7月15日にリリースしましたが、CDのリリースは2nd CD『WHEREABOUTS』以来ですね。今回、約1年8カ月ぶりにCDをリリースしようと思った理由を教えてください。
私が音楽を始めた10代という貴重な時間が終わる前に作品を残したいという想いがありました。また2nd CDのリリース以降に書いた曲を上京後ライブでずっとやってきていて、「ライブの後にその曲が入ったCDはありますか?」って言ってもらえることもよくあったので、10代のうちにレコーディングをしてリリースをしようということになりました。新たな作品をリリースすることで今までの作品を聴いてくれていたり、ライブを観てくれていた皆さんに喜んでもらえたり、新たに聴いてもらえる方に出会えることが出来たらうれしいです。
――今作は18~19歳に書いた曲の中から5曲を収録しているとのことですが、これらの楽曲をセレクトした理由を教えてください。
全曲、前作リリース以降に書いた曲です。すでにライブで演奏してきた3曲と、未発表の2曲になっています。一番古い「Troubling」は高校生の時に書いた曲で、一番新しい「Way of Life」は今回のレコーディング期間中に書いた曲で、10代最後の作品になりす。 それぞれの曲に思い入れがあって皆さんに届けたい5曲を収録しました。
――16歳で1st CD『Leave The Nest』をリリースしてから、2nd CD『WHEREABOUTS』では17~18歳の時書いた曲を。そして今作では18~19歳に書いた曲を発表し続けていますが、この3作はSakuraさんにとってどのような存在の作品になりましたか?
振り返ってみると16歳から音楽活動を始めて、1年に1枚ペースなのでまだ音楽活動は3年ぐらいで短いですが、曲作り、レコーディング、ライブと目まぐるしくも充実した楽しい時間だったと思います。これまでの3作を改めて考えると、どの作品もその時その時の楽しかったことや辛いことなど自分の感情がこもっていて、その時の情景までもが目に浮かびます。なので今までの3作品は私の10代が詰まっている作品だと思います。
1st CD「Leave The Nest」
600円+税
2nd CD「WHEREABOUTS」
1000円+税
――今作をリリースするにあたり、過去作品を聴き返してみた…。なんてことはありましたか?
これまでの作品を自分で聴くことはありますが、リリース前に意識して聴くようなことはありませんでした。3作ともギターと声のみという形態は同じですが、作品ごとに味は違っていると思います。それは変えようと意識しているわけではなく、その時その時の自分を自然体でやっています。今回もメロディーや詩、歌い方、ギターまで今の自分が出せていると思います。
――『ETERNAL RIDDLE』のコンセプト、タイトルに込めた想いがあれば教えてください。
「ETERNAL RIDDLE」は「永遠のなぞなぞ」という意味で、一曲目の「Close My Eyes」の詩の中の一節からとりました。いつまで続いて、そして何をするべきか、答えを与えられていない人生は一生を通して解いていく、なぞなぞみたいなものだと思っています。そして一人ひとりその答えは違うと思います。私自身はまだ20歳になったばかりで、見つけられているようできっとまだまだ分かっていないと思います。いつその答えに出会うのか、もしくはずっと出逢わないままなのか分からないですが、もがいて一生懸命毎日を生きている今がきっと大切な何かなんだと思います。そんな思いを込めたタイトルです。
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『ETERNAL RIDDLE』全曲セルフライナーノーツ
01.Close My Eyes
この曲は自分が大人になっていく切ない気持ちを書いた曲です。電車に乗っている時、ふと見えた無邪気で笑顔の男の子。その子を少し遠くから眺めていて、いつのまにか自分が大人になったんだなと思いました。その時の少し寂しいような悲しいような、そんな気持ちを書きました。
02.Train Proceed
電車に乗っているひとりの女性のことを歌った曲で、一番テンポのある曲です。その女性にはどんなストーリーがあってこの電車に乗ってきたのか、そしてこの後どんな気持ちで進んでいくのかをイメージして書いた曲です。前に進んで行こうとする曲なので前向きな気持ちになってもらえたらうれしいです。
03.Troubling
この曲が一番前に作った曲で、まだ福井にいた頃に作った指弾きのアルペジオでの曲です。憧れる人がいても、その人になれるわけでもないし自分のことをちゃんと信じきれない。でも「それでも…」とどこかで自分を諦めたくない。そんな人の弱いところ、大切な感情との葛藤などを書いた曲です。
04.Home
この曲はバンドをやっている両親が地元でやっている「PUNK合宿GIG」というイベントがあるんですが、そこに集まってくれる人達を想って書いた曲です。「Home」といっても生活する「家」のことだけではなく、心の拠り所になっている場所があればその人にとってそこは「Home」なんだと思います。この曲はライブハウスや、ただいつも友達と何気なく集まる場所でも、恋人や家族で大切にしている場所でも、そこに行くと「帰ってきた!」と思える大切な場所の歌です。皆さんにとっての「Home」を思い浮かべながら聴いてほしい曲です。
05.Way of Life
「Way of Life」はレコーディング期間中に書いた曲で一番新しく、10代最後に書いた曲になります。自分が「こうやって生きていきたい」と思っていても周りの人に否定されたりして自信が持てなくなる。本当の自分の気持ちを問うような歌になっています。この曲は歌詞付きのMVを公開しています。そのMVは今回も自分で作成しました。その映像と歌詞を見て、想いが伝わってくれたらうれしいです。これまでの作品も今作も、皆さんが感じたままに受け取ってもらって、自分のための曲だと思って聴いてもらえたらうれしいです。歌詞カードには英語詩と和訳も載せてありますのでぜひ歌詞を見ながら聴いてほしいです!
『Way of Life』MV
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先のことは想像もできない状況ですが、今できることを楽しく一生懸命に感謝を忘れずやっていきたい。
――CDのアートワークはSakuraさんのお姉さんが手がけたそうですね。お姉さんにアートワークを依頼した理由、制作にまつわる秘話などあれば教えてください。
CDのデザインだけでなくTシャツなどデザイン関係はこれまでも全て姉がやってくれています。姉は私が小さい頃からそばにいて、自分のことをとてもよく知ってくれていると思います。それがこれまでのどのデザインにも自然にでているように感じています。何より私は姉が描いてくれる絵がとても好きなのでこれからも描いてほしいと思っています。
今回も「ETERNAL RIDDLE」は「永遠のなぞなぞ」というテーマの元、私の意見を伝えながら制作してもらいましたが本当に曲にあった絵を描いてもらえて、ジャケットを含めて全体にストーリーが浮かぶような素敵なデザインになったと思います。
――2019年はFM福井主催のフェス「ビートフェニックス」への出演やアメリカツアー。年末には福井の音楽シーンの大御所、BEEさんらと「F Rock Show 2019」で同じステージに立ちましたが、楽しかったですか?
FM福井さん主催の「BEAT PHOENIX」では素敵なステージに立つことが出来て本当に嬉しかったです。地元の素晴らしいイベントに参加できたことはとても貴重な経験になりました。
アメリカツアーは楽しいことやうれしいことばかり思い出します。Chicago、Boston×2、NewYorkの4公演はどれも最高でした。ライブ後にわざわざ良かったよと声をかけてもらえたり、CDを買ってくださる人がいたりと自分の音楽がこうして届いているんだと実感することが出来ました。ツアーに協力してくれた方々には本当に感謝でいっぱいです。
「F Rock Show 2019」ではレジェンドの皆さんを前にして緊張していましたが、ステージに立ってみると皆さんが温かく迎えてくれていることを感じて本当に楽しく歌わせてもらうことが出来ました。初めて見ていただく方がほとんどでしたがCDを手に取っていただいたり、バンドの皆さんにもたくさんお話していただきとても楽しい時間でした!
「GMAN TAVERN」での1枚
――アーティストにとってライブは、自分の楽曲を披露する場であり、オーディエンスとの触れ合い、またオーディエンスの言葉に耳を傾けるうえで、とても大切な存在だと思います。現在、ライブが自由にできない状況下にありますが、今、あらためて思うこと、コロナが落ちついたときにやりたいことがあれば教えてください。
ライブが出来なくなる、誰かと集まって楽しい時間を過ごすことが出来なくなる、なんていうことが起きるなんて想像もしていませんでした。こうなってみて今まで出来ていたことが本当に貴重で大切なことだったんだと改めて気付かされました。先のことは想像もできない状況ですが、皆さんと思いっきりライブができるまで、今できることを楽しく一生懸命に感謝を忘れずやっていきたいです。
――現在、20歳のSakuraさんですが、20歳になったことで掲げた目標や夢はありますか?
実は、20歳だからこうしようといった意識はあまりありません。ですがシンガーソングライターとして良い曲を作って歌いたいという目標は音楽を始めた16歳の頃から20歳になった今も変わっていません。そしてこの目標は、もっともっと年を重ねてもずっと大切にしていきたいと思っています。
  
2020.07.15 RELEASE
3rd CD
『ETERNAL RIDDLE』
1000円+税
10代最後のレコーディング作品となる3rd CD。18~19歳に書いた曲から珠玉の5曲を収録。
Sakura
2000年4月24日生まれ。福井県出身。
2017年2月(当時16歳)、英詩で作詞作曲した最初の曲をYoutubeにアップしたところ反響があり、同年5月にインディーズレーベルROADSIDE RECORDSより5曲入りCDをリリース。2018年11月に7曲入り2nd CD『WHEREABOUTS』をリリース。2019年2月にはアメリカのポップパンクバンドのJAPAN TOURに参加し1週間で東京、大阪x2、広島の4か所をサポート。そして2019年秋にはアメリカツアーでシカゴ、ボストンx2、ニューヨークの4か所でのライブを敢行。2020年7月、3rd CD『ETERNAL RIDDLE』をリリース。聴く人の心に響く繊細なメロディーラインのソングライティング力、ステージでの表現力、そして人を惹きつける天性の声に定評がある。
◉各CDはLITTLE HAND(福井市二の宮3-25-15 2F)にて販売中
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