【かずのすけの美容塾】
2020/09/08
Q:マスク着用による肌荒れは、どう防ぎ、対処すれば良い?
最近メディアでも取り上げられていますが、「マスクによる肌荒れ」が問題になってきています。マスクは一見外部刺激を防いで保湿効果が高そうに見えますが、実は逆に肌荒れを招く要因になります。これは、マスクそのものの「素材」が肌に摩擦刺激を与えやすく、人の肌は過剰に水分を吸収するとバリア機能が低下する性質があるためです。
マスクの繊維は一般に「不織布」という化学繊維を密に織り込んだ布を用いて作られていて、特に使い捨てのサージカルマスクが該当します。この不織布はポリエステルなどの化学繊維を主成分に作られているのですが、化学繊維は一般に天然の綿などの繊維と比較して摩擦刺激が発生しやすいことが多数の研究で分かっています。吸湿性も低く、汗を吸ってくれないため肌が過剰に水分を吸収してしまう要因にもなります。そのため予防策としては、摩擦が発生しにくく吸湿作用のある天然繊維(特に綿製がおススメ)のマスクを着用することですが、布のマスクは使い捨てできず、洗浄して使うため長持ちしない問題や洗剤成分の残留がかえって肌荒れを引き起こす恐れもあります。
そこで、僕が最もおススメしている対策法は、ユニチャームさんの「シルコット うるうるコットンスポンジ仕立て」というコットンをマスクに挟むことです。この製品は合成コットンで、綿と同質のパルプ・レーヨンという素材で作られています。形もマスクフィルターに適した横長の特殊な形をしており使い捨てマスクなどにもピッタリはまります。一箱350円程度で80枚ほど入っており、一枚一枚使い捨て可能。どのマスクにも使える究極のマスクフィルターといえます。実際にこの方法をSNSで発信したところ、非常に多くの方からマスク肌荒れ改善の声を伺っています。
次に、既に肌が荒れてしまっている場合は、皮膚科の受診が最も推奨されますが、皮膚科には行きにくいという時節でもあります。その場合は市販の「抗炎症有効成分」が配合された薬用化粧品(市販品ですとキュレルやIHADAなど有名)を利用することで肌荒れを鎮静させる効果が見込めます。さらに摩擦が加わりやすい部位にワセリンなどの滑りの良い油分を塗っておくことで摩擦を軽減することもできますので、試してみてください。
かずのすけ
美容化学者。横浜国立大学大学院修了。化学で美容を解説するブログが人気で月間500万PV、Twitterフォロワー9万人超。著書は『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)、最新刊『美肌成分事典』(主婦の友社)ほか9冊。坂井市丸岡町出身。本名:西 一総(かずさ)
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