全国各地で名だたる武将たちが天下取りの機会をうかがった戦国時代。ここ越前・若狭でも歴史の転換点となる出来事が起こっていた。京に負けず劣らずの栄華を誇っていた一乗谷と戦国大名、朝倉義景。大河ドラマ「麒麟がくる」の中にも登場するその姿から想像力を働かせてみる。
「麒麟がくる」は主人公・明智光秀をはじめ、理想や信念、自分を貫いた人たちの群像劇。確かな軌跡を感じ取ってみようと、あらためてゆかりの地を訪れてみる。

光秀ゆかりの地を訪れて 越前編
一乗谷の地に居を構え、5代約100年にわたり越前を支配した朝倉氏。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に登場する第5代当主・義景の館跡をはじめ、庭園跡や復原町並などに足を運びながら、戦国時代に思いを馳せる。
一乗谷朝倉氏遺跡
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に登場する第5代当主・朝倉義景の館跡や館跡庭園などが山の麓に広がり、往時の朝倉文化を偲ばせる。国の特別史跡と特別名勝に指定されている。
湯殿跡庭園(ゆどのあとていえん)
朝倉館跡を見下ろす高台に位置する庭園。様式などが他の庭園とは異なり、一乗谷で最も古い庭園とされている。戦国大名らしい、荒々しく、力強い表情の石が配置されている
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
石川美咲さん
いしかわみさき/1991年、群馬県生まれ。2016年から同資料館に学芸員として勤務。専門分野は戦国大名権力論。美濃土岐氏・斎藤氏、越前朝倉氏の研究業績がある。一乗谷のお気に入りスポットは紅葉の時期の「諏訪館跡庭園」。趣味は山城めぐり。
演出から読み取る関係性。光秀の人物像を推察。
『NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 麒麟がくる』(NHK出版)にも寄稿する学芸員の石川美咲さん。「『麒麟がくる』で義景と光秀が初めて対面するシーンでは、光秀は“会所”と呼ばれる、今でいうVIPルームに招かれています。しかし、その次に対面する場面では敷居を跨げないような位置に下がり、さらにその後のシーンでは会所にすら入れてもらえなくなるなど、義景が光秀を遠ざけていく変化がドラマの中でもさり気なく描かれています」と、細かな演出にも注目している。
気になるのは、謎が多い前半生の光秀と越前の関係性。石川さんは「近年、熊本県で発見された『針薬方』という医学書から“明智十兵衛(光秀)”が“セイソ散”という傷付薬の製法等を伝えたこと、さらにはセイソ散が“越州朝倉家之薬”と記されていることから、つまり朝倉家伝来の薬である、と明らかになりました。これは光秀と朝倉家との直接的な接点を裏付ける貴重な史料と言えます」
「江戸時代に庶民の間で流行した『小夜嵐』という物語の中にも、“朝倉宗清という人物が生蘇散を処方した”という記述が出てきます。江戸時代の人々の認識の中でも一乗谷の医学の先進性が評価されていたのかもしれないですね」
光秀にまつわる記録からは、彼の人となりも見えてくる。前述の「光秀が口伝した内容をまとめたとされる『針薬方』には、“ヤマモモは四季によって量を加減すること”など細かい指示があります。実は信長からも“あなたからの手紙は見事で、その場の状況を見ているかのようだ”と言われるほど詳細な説明ができる人物だったようで、几帳面さが伝わってきます」
「そんな真面目で細かい、福井弁で言う“ぎっと”な人物だったからこそ、主君のことも許せなくなると収拾がつかなくなり、それが本能寺の変につながる苛烈な一面だったのかもしれませんね」と、石川さんは推察する。
【住所】福井県福井市安波賀町4-10
【電話】0776-41-2301
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休日】不定休
【駐車場】あり
【観覧料】一般100円、高校生以下、70歳以上無料
【HP】あり
【SNS】Facebook
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光秀ゆかりの地を訪れて 若狭編
若狭では、謎多き前半生とは対照的に、飛躍の機会をつかむことになる光秀。そのきっかけとなった越前朝倉攻めの歴史舞台をたどりながら、出世街道をひた走る光秀の境地を想像してみる。
若狭国吉城歴史資料館
永禄6年(1563)に朝倉氏の軍勢を撃退し、以後10年に渡って守り抜いた国吉城。 信長の軍勢も朝倉攻めで入城。山の麓には、その歴史を伝える資料館がある。
金崎宮
尊良親王と恒良親王を御祭神として祀る、由緒ある「金崎宮(かねがさきぐう)」。境内地の大部分は、信長の朝倉氏攻め、金ヶ崎の退(の)き口の舞台となった金ヶ崎城の旧跡にある。
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ゆかりの地メモリアルアイテム
朝倉氏遺跡保存協会
唐門のイラストと朝倉家の家紋「三ツ盛木瓜(みつもりもっこう)」をあしらった通常デザインに加えて、明智家の家紋「桔梗紋」と「明智光秀ゆかりの地」の文言が入った御城印が登場。ご城印帳(税込2200円)とともに復原町並の受付で販売。1枚300円(税込)
朝倉氏遺跡保存協会
【住所】福井県福井市城戸ノ内町28-37
【電話】0776-41-2330
【時間】9:00~17:00(復原町並の入場は16:30まで)
【休日】無休
【駐車場】あり
【HP】あり
明智神社
明智神社奉賛会が作成したお守りは、光秀をイメージした水色の「家内安全」と、恋愛をイメージした赤色の「恋愛成就」の2種類(税込各500円)。御朱印(初穂料300円)と護摩木(添え護摩300円)もある。地元の『山本食料品店』で販売(8時から17時)
明智神社
【住所】福井県福井市東大味町
見学自由
【駐車場】あり
【HP】あり
金崎宮
戦国史に残る一戦、信長による越前朝倉氏攻めで「金ヶ崎の退き口」の舞台となった金ヶ崎城跡のふもとにある金崎宮。この時の戦いでお市の方が兄・信長の窮地を救ったとされる小豆袋にちなんだ「難関突破守」は、両端をひもで結んだ小豆入りの珍しいお守り。初穂料1000円
金崎宮
【住所】福井県敦賀市金ヶ崎町1-4
【電話】0770-22-0938(社務所)
【時間】9:00~17:00
【駐車場】あり
【HP】あり
若狭国吉城歴史資料館
越前朝倉氏の猛攻を防いだことから「難攻不落」で知られる国吉城。元亀元年(1570年)の朝倉攻めでは信長、秀吉、家康の三英傑を迎え入れ、光秀も伴った可能性がある信長の入城450年を記念した御城朱印など2種類(各300円)。“落ちない”お守りとして受験生にも人気。
若狭国吉城歴史資料館
【住所】福井県美浜町佐柿25-2
【電話】0770-32-0050
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休日】月曜(休日の場合は翌日)、休日の翌日
【料金】一般100円、小人50円
【HP】なし
【SNS】Facebook
称念寺
御朱印帳の表紙には市松模様と明智家の家紋「桔梗紋」をデザイン。その裏には光秀と熙子のイラストと、夫婦愛の象徴として語り継がれている「黒髪物語」の文字をあしらっている。1700円(御朱印入り2000円)。御朱印は2種類(志納金)で、土日・祝日の10時から16時までの受付
称念寺
【住所】福井県坂井市丸岡町長崎19-17
【電話】0776-66-3675
【駐車場】あり
【HP】あり
若狭鯖街道熊川宿資料館宿場館
光秀が熊川に来訪していたことを記念した御城印(税込300円)。熊川城主を務めた沼田氏の家紋「右三つ巴」をデザインし、光秀の盟友、細川藤孝(幽斎)の正室となった沼田麝香(じゃこう)の里を紹介している。攻城記念缶バッジ(1個税込400円)も記念に。
若狭鯖街道熊川宿資料館宿場館
【住所】福井県若狭町熊川30-4-2
【電話】0770-62-0330
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休日】月曜
【駐車場】あり
【料金】高校生以上200円、中学生以下無料
【HP】なし
関連イベント
特別公開展「重要文化財は語る 城下町の暮らし」
開催中~11月10日(火)/一乗谷朝倉氏遺跡資料館
戦国城下町、一乗谷における武士や僧侶そして町の経済を支えた職人たちや寺院の生活を紹介する企画展。町屋跡から出土したつぼや鉄砲の弾丸、茶道具など、衣食住や仕事、遊びの品等、重要文化財を中心に展示。昭和50年、57年の発掘調査では鉄砲職人や鋳造をした鋳物師たちが住んだ町屋跡が発見された。今回は鉛の弾丸や火縄銃の部品など、職業を特定する決め手となった出土品も多数展示している。【電話】0776-41-2301
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休日】9/16(水)、10/21(水)※会期中の休館日
【料金】一般100円・高校生以下と70歳以上は無料
【HP】あり
戦国福井と明智光秀企画展①
明智光秀と越前・若狭~光秀は国吉城に来たのか?~
開催中~10月18日(日)/若狭国吉城歴史資料館
福井に関係の深い武将として、光秀の県内での足跡をたどる企画展の第1弾。光秀が越前に雌伏していた時期や、信長の家臣として飛躍の糸口をつかむ若狭や朝倉攻めでの動向などにスポットを当てながら、ゆかりの地の紹介とともに、近年の調査研究や関連資料などをもとに歴史に迫る。また記録には残っていないものの、光秀が朝倉攻めの信長とともに国吉城を訪れたのかどうか、の可能性について探る。【電話】0770-32-0050
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【料金】一般100円、小人50
【休日】月曜(休日の場合は翌日)、休日の翌日
【SNS】Facebook
明智光秀ゆかりの地をめぐるバスツアー
9月12日(土)~11月22日(日)の間で全8回開催/福井県観光連盟ツアー291(ふくい)
県内にある、大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀ゆかりの地をめぐるバスツアー。「雌伏の地をたどる旅」、「飛躍の地をたどる旅」、「信長のルーツをさぐる旅」の全3コースがあり、全て日帰り昼食付(旅行代金3000円)。越前や若狭に点在するゆかりの地を巡りながら、専門家の解説付きで知識を深めることができる。光秀の人となりや歴史を学び、光秀が生きた時代に想いを馳せることができそうだ。月刊ウララ9月号(582円+税)は『北陸温泉宿の旅』から厳選温泉宿をご紹介。また今、気になる場所・ヒト・コトをご紹介する『What’s Hot』もお見逃しなく。書店、コンビニ、通信販売で好評発売中です。ぜひご覧ください。
日々URALAからのお知らせをLINEで受け取れます!
