【パルタージュ】

第二波に直面するフランスから。|パルタージュ

2020/09/11

『南仏方面行きのリヨン駅構内』 ©Tomoko Iozaki

フランスでは経済の状況が一変し、今も補償を受けながら休業(休職)している人が少なからずいる。ロックダウン解除後もその延長の夏休みのような時間を過ごし、国内でのヴァカンスを選択する国民に向けて、フランスの美しい自然を満喫する人たちがニュースの中心となっている。

パリの街中を歩くと、マスクをしている人は目に見えて減り、バーやレストランのテラス席は人で溢れかえるようになった。一方で夏のバーゲンが始まり、中心街に足を運ぶと、パリの若者たちに人気の店では、入場規制のために間隔を開けながら列をつくり、入り口近くではガードマンが来店者の消毒にあたっている。

フランスで第二波が遅れたのは、意外にもこのような感染予防対策が効果的だったのだろうか。少なくともパリでは公共交通機関を利用する際にマスクの着用が義務づけられ、外出時の必需品として定着している。

今年は例年よりも早く、7月からヴァカンスに出かける人が目立っている。しかしビーチにパラソルを立てて、ファーニエンテ(のんびりと何もせずに過ごす)と決め込んだ人たちが滞在するコート・ダジュールやブルターニュ地方では感染者数の増加が目立ち始めた。国外からの観光客も増え始める中、屋内の公共施設でマスクの着用が義務化になった。

福井では長い間、新たな感染者が出ていないことを実家の父に聞いていたが、ここにきて新たな感染の発表が続き、心配になっている。また県外から人気の海岸があり、感染防止のため海開きをしないところが多いと聞く。今年は利用者を県内に限定してはどうだろう。パリジャンが観光客のいないパリを楽しんだように、思いがけない方向性が見つかるかもしれない。

空に描かれる飛行機雲の線は少しずつ増え始め、数えきれないほどになった。海外に行くため、家族に会うために検査を希望する人が増え、検査機関の中には人手不足で長蛇の列ができているところも出てきた。夏休みを利用して帰省している友人達がいるのだが、私には「パリからの帰省者」という肩書きが重く感じる。「できれば秋には帰国したい」という考えも、客観的に状況をみると時期尚早という結論に至り、故郷が遠くなった思いがしている。

画家/五百崎 智子 1971年、福井市生まれ。パリ在住。福井大学などで油絵を中心に学び、渡仏後は語学や絵画を勉強。今年も駅や高速道路は混雑していて、フランス人のヴァカンスへの執着を感じる。


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#コラム#アート#連載

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