【上映中】長尾和宏医師登壇。痛くない最期の迎え方を教えてくれる / 『痛くない死に方』

2021/04/13

生きとし生けるもの、必ず訪れるのは死。

きっと不老不死は実現したところで退屈しか残さないと思います。死をもって別れるから人って愛おしいのだと思います。死ぬ瞬間の感覚は、知りたいけれど、生きている人の中では決してわからないもの。ただ一つこれだけは全員が思うはずです。「痛くないまま死にたい」と。

病院でチューブにつながれたまま死ぬことと、ゆっくりと眠るように死ぬこと、どちらが幸せなのだろう、そう思うことがあります。

延命治療もいらない、残された時間を全うして人生を終えることが、“くいのない人生”なのではないか、そう思うことがあります。

(C)「痛くない死に方」製作委員会

だからこそ、「メトロ劇場」で上映が始まった映画『痛くない死に方』、4月後半から上映が始まるドキュメンタリー映画『けったいな町医者』の2作は、自分の価値観が間違いではないということを再確認させてくれる作品でした。

4月10日(土)の公開日に合わせて、原作・医療監修を務めた長尾和宏医師が登壇すると聞いて、会場は長蛇の列。上映後のサイン会も長蛇の列! どれだけ長尾さんが愛されているかを感じる一コマでした。実に爽快で、フレンドリーで、強い芯を持っている方だな、という印象でした。医者になろうと決めたのも中学・高校の頃。その原動力は父の死によるものだったそうです。

(C)「けったいな町医者」製作委員会

大病院の説明不足、対応のまずさ、子どもながらに不信感を抱き、その医療体制へのリベンジを誓って「町医者になる」と決めて約50年、今では街になくてはならない存在となりました。

町医者というのも長尾さんの信念として「病気を見るのではなく人を見る」ことがあるからです。診察の際はその人の人生を聞くことで、どんな治療が最善なのかを見極めます。「街が病院、家が特別室」、この言葉はまさに町医者、という言葉を言い得ています。

(C)「痛くない死に方」製作委員会

主人公の研修先の院長が長尾さんという設定で、奥田瑛二さんが務めています。「セリフに一切の無駄がなく、一つひとつに意味があって、私たちも日常で使っている言葉を使っています」。

その中で心に残ったのが「待てる医者になれ」。患者の身からすれば、痛みは早く取ってほしいもの。

「今は本当に待つのが難しい時代です。でも元大阪大学総長の鷲田清一さんが著書『「待つ」ということを記しているように、待つことが大事なときがあるんです。医療の現場では“あわいの時間”と呼ばれる、生と死の間の時間があります。その時間をどんな時間にするか、いい最期をどう演出するかコントロールするのが医者の仕事でもあり、そのためにも待つことを意識できなければいけないのです。待つ、ということは深い意味があるんです」。

(C)「けったいな町医者」製作委員会

痛くなれば薬、悪くなれば病院、患者である私たちも薬や病院に依存している感も否めません。痛い=薬、ではなく、何故痛くなったのかを自分自身で感じ取る時間もまた必要なのかもしれませんね。

「人間は生きていれば老化して、機能が上手く働かないこともあります。かといって車の部品のように新品に取り換えるなんてことはできません。マニュアル化した治療よりも、全体を見渡して、本質を見抜くこと、それが本当の医者の姿ではないでしょうか」。薬を出すだけ、説明もなし。かつて自身が感じた医者の在り方を、真っ向から変えていきたい。医療従事者、そして医師を目指す学生に見てほしい思いがあるそうです。

(C)「けったいな町医者」製作委員会

「これまでも『赤ひげ』や『大病人』、『ディアドクター』など医療をテーマにした名作が作られてきていました。さまざまなテーマが散りばめられていて、学ぶこともたくさんあります」。

(C)「痛くない死に方」製作委員会

東京でもロングラン上映が続いているほど、異例のヒットを続ける『痛くない死に方』。誰にも訪れる死について、「人生会議」を家族で考えてみるきっかけとして、この2作を是非鑑賞してみてください。

(編集部・宮田耕輔)


『痛くない死に方』
2021/4/10(土)~2021/4/23(金)
公式サイトはこちら>>>

『けったいな町医者』
2021/4/24(土)~2021/4/30(金)
公式サイトはこちら>>>


メトロ劇場
【住所】福井県福井市順化1-2-14
【電話】0776-22-1772
【HP】あり
【SNS】Twitter(メトロ劇場) Twitter(メトロ劇場 支配人)



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