月刊ウララ5月号『What’s Hot?』より。今、気になる場所・ヒトの一部をお見せします！

2022/05/17

街の記憶を積み重ねることで、
生まれる風景がある。

LUFF!
Fukui Work&Studio

2人から10人まで入居可能なオフィスが11部屋揃っており、既に入居が決まっている物件もある。キッチンブースもあるので料理も可能。駐車場は4台（別途契約）あるほか、近くのコインパーキングが1日500円で利用可能

再開発にはさまざまな側面がある。ゼロから作り出すことの価値はもちろんある。しかしゼロにするということで記憶もまたリセットされていく。センチメンタリズムもあるかもしれないが、むしろかつての技術は今に再現できるものではない。いくら昔と同じように作ったとて、そこに違和感を覚えるのは他ならないこの街に住む人。そこには技術のほかに人の思いが詰まっているからだ。だからこそ、リセットしない再開発、いわゆるリノベーションが今、求められている。

長い間使われなくなっていた専門学校のビル。それも片町の中心地。さまざまなルールの中で手付かずだった場所。誰もが諦めていた物件を再生させた『株式会社ピンタイ』。作ったのは県内外の事業者が入居できるシェアオフィスだ。学校の面影を残しながら、しかし働きやすい環境を生み出している。遊ぶように働く。それは新しい働き方を提案しているかのよう。昭和と平成、そして令和という時代の“レイヤー”が見事に折り重なった、新しいスポット。