2024/09/05
鯖江市『まなべの館』にて8月17日~10月6日の期間、企画展【近松門左衛門没後300年記念 森村泰昌×桐竹勘十郎 二人展 「お手を拝借!!」in SABAE】が開催中です。森村氏、桐竹氏の展示会は福井初開催。
世界的に有名な人形浄瑠璃・歌舞伎作家である近松門左衛門が生まれ育ったまちとして魅力を発信している鯖江市。今年、令和6年に近松門左衛門没後300年という節目を迎えることにちなみ、本展覧会を企画。
日本美術界の巨匠・森村泰昌氏と人形浄瑠璃(文楽)の重要無形文化財保持者(人間国宝)である桐竹勘十郎氏、2人のアーティストによる「現代美術」と「伝統芸能」の異色のコラボレーション展です。
森村氏は、1985年に初めてゴッホの自画像に扮した作品を発表。以降、老若男女・和西洋を問わず、歴史上の人物や名画などに扮し写真を撮り、セルフポートレイト作品として発表を続けてきた現代美術の第一人者のひとり。
一方、桐竹氏は50年以上にも及ぶ伝統芸能の世界で人形浄瑠璃文楽の人形遣いとして様々な役を演じてきました。一体の人形を三人で操る「三人遣い」では、中身が空洞の文楽人形を、いきいきとまるで血が通ったように遣います。
全く異なる分野のこの2人。初めて出会ったのは2020年のこと。すぐに意気投合し、翌年には大阪の『モリムラ@ミュージアム』にて【人間浄瑠璃 森村泰昌×桐竹勘十郎 二人展 「お手を拝借!!」】を開催。非常に多くの方を動員しました。
本展では、その大好評を博した展覧会がさらにパワーアップ! 3つのセクションに分かれ展開されています。
セクション1では、歌舞伎役者を鮮やかに描いた東洲斎写楽の浮世絵から、女優岩下志麻まで、これまでに森村氏が自らその人物等に扮し、制作した作品が展示。躍動感のあるものから落ち着いた印象のものまで多様な作品が並びます。また、森村氏は、扮する際のメイクや衣装なども自身で準備・制作を手掛けているのでその点に着目してみるのも面白いです。
一方、桐竹氏は、自身がこれまで25年の間に200枚以上を描いた「観劇記念スタンプ」の貴重な原画を展示しています。文楽の名場面をモチーフにし、遊び心も感じられる原画。下書きの跡が残るなど、大胆な構成の中に描かれる緻密な描き込みも見どころです。
セクション2では、近松の名作「曽根崎心中」の中でも特に有名な、心中を決意した徳兵衛とお初が身を寄せる天満屋でのワンシーンを再現展示。展示にあたっては桐竹勘十郎氏が来福し仕立て、細部まで調整を行ないました。
そして最後にセクション3。2022年に大阪中之島美術館にて上演された“文楽人形に扮したモリムラを勘十郎が遣う”という前代未聞の挑戦をした創作公演を公開! 当時の公演を観ることができなかった方も多く、こちらを目当てに足を運ぶ方も多い。その他、公演に際し桐竹氏が自ら制作した小道具や衣装も展示されています。
「近松や人形浄瑠璃と聞くと、どうしてもレベルが高く、堅い印象を持たれる方も多いですが、今回の展示では、遊び心があふれるものやユニークな作品も多数あります。展示会を通じて、少しでも親しみを持ってもらえたら嬉しいですね」と『まなべの館』の館長・井上さん。
その他、会場では、桐竹氏の「観劇記念スタンプ」を元にした本展初出の新作「勘バッジ」や森村氏直筆ドローイングによるオリジナルTシャツなど、企画展の記念グッズも販売しています。こちらもお楽しみに。
近松門左衛門没後300年記念 森村泰昌×桐竹勘十郎 二人展 「お手を拝借!!」in SABAE
【会場】鯖江市まなべの館(福井県鯖江市長泉寺町1-9-20)
【日程】2024/8/17(土)~10/6(日)
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館】月曜(祝日の場合は翌日)
【料金】一般600円・小中学生300円(鯖江市内在住・通学の小中高校生は無料)
※全館共通(常設展も観覧可)
【電話】0778-51-5999
【HP】あり
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