月刊ウララ3月号エリア特集『敦賀市相生町』で見つけた 街が生み出した、味。

2020/03/11

歴史と文化を知る、味。

晴明の朝市

毎月第3日曜日、博物館通りで行なわれる「晴明の朝市」。朝の8時過ぎから商店が集まりだしいい香りが通りを包む。

朝市のはじまり、地元の台所を支えた市場。

 相生町では、月に一度「晴明の朝市」と呼ばれる催しが開かれる。早朝から通りに商店が並び、人々が行き交うこの朝市の歴史は大正時代のある人物によって始まった。
 大正時代中期、物価が著しく高騰したことにより、生活苦に陥る人々が後を絶たなかったという。その救済のため名乗りを上げたのが、相生町(旧敦賀町富貴)出身の篤志家・清水友吉だ。友吉は私財を投じ、敦賀で初めての公設市場である「群立敦賀朝市場」を建設後、寄付を行なった。この公設市場によって物価が調整され、庶民の生活が安定していくように。地元の人々からは安倍晴明ゆかりの地であることから「晴明の朝市」という愛称で親しまれ、祭日やお正月には、おびただしい人出で通りは身動きがとれないほど賑わった。
 しかし大正から昭和へ時代が変化すると戦争が始まり、昭和20年空襲の被害にあった敦賀市街地の大半が焼失。奇跡的にも火災を免れた公設市場は、住宅を失った市民の市営住宅へと姿を変え、歴史の幕を一旦閉じた。

まずは、これを!晴明の朝市名物。
名物「朝市ラーメン」は350円と安価なのも人気の理由のひとつ。テーブルやイスも用意してあるので、グルメや朝市の雰囲気をゆっくりと味わえる

ふたたび賑わいを。朝市に託された想い。

 一度は姿を消した「晴明の朝市」だが、平成12年に「賑わいを復活させたい」と、相生町の人々が地元の商店や婦人部、町役員に協力を呼びかけ「晴明の朝市」を新たに再開させた。
 この朝市は今年で20年を数えるが、再開当初から毎月出店を続ける商店が多いという。その中でも名物となっているのが、地元のお母さんたちが出店する、「朝市ラーメン」だ。朝でも食せる優しい味わいが人気で、冬場はラーメンで体を温めてから朝市を回るお客が多い。他にも海の幸や山の幸などを売る商店が軒を連ね、人気の店はすぐ品物が完売してしまうため早朝から博物館通りにお客が訪れる。贔屓客や家族連れも多く、地元の人々からは馴染みのイベントとして定着し続けている。

野菜や花、魚介類の直売のほか、その場で食べ歩きできるお好み焼きや焼き鳥、老舗和菓子屋のまんじゅうなどの店が集まる。敦賀市内の出店者以外にも県内の市町や、県外から参加する商店も多い

晴明の朝市
【開催日】毎月第3日曜開催
【会場】敦賀市相生町博物館通り
【時間】8:30〜11:30
【問い合わせ】0770-22-2188(晴明の朝市実行委員会)
【駐車場】共有駐車場あり

ここが由来!

晴明神社(せいめいじんじゃ)
【住所】福井県敦賀市相生町8-20
【問い合わせ】0770-22-8167(敦賀市観光協会)、0770-21-2626(敦賀観光案内所)
【時間】9:00〜15:00頃
【駐車場】共有駐車場あり

ゆかりの地で感じる、安倍晴明の飽くなき探求心。

 陰陽師として名高い安倍晴明は、天文学や地学の研究のために西暦990年頃から5年間敦賀に移り住んだといういわれがある。なぜ晴明は京の都を離れ、敦賀を研究の地に選んだのかは、敦賀が貿易の街として栄えていたからだという。晴明が用いた陰陽道は古代中国が起源であり、大陸との交流が盛んに行われていた敦賀は、新たな見聞を得るためにうってつけの土地だったといえる。
 また、ゆかりの地である相生町には『晴明神社』が存在する。この『晴明神社』は、古来より五穀をつかさどる食物の神である保食神(うけもちのかみ)を祀り、晴明が日夜参拝にこの神社に訪れたといわれている。この神社は、占いや研究などに使用したとされる霊石「晴明の祈念石」を御神体として安置し、この霊石のおかげで南北朝時代の金ヶ崎の戦いや天正時代の織田信長と朝倉義景の間で行なわれた一乗谷城の戦いの兵乱の際にも戦火を免れたと言い伝えがある。このことから「防火の神」としても信仰されている。

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#エンタメ#グルメ#月刊ウララ

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