【麺 to the future|宗近製麺】
2022/05/21
コロナ禍になって3回目の春、感染対策の中、人も街も動き出してきました。宗近さんからは新しい試み『宗近のトリセツ』の報告が! チラシではなく冊子もの。制作の中心は宗近さん社員の稲木さん、デザインは県外のデザイナーに依頼。実はこのデザイナーが商品のパッケージデザインも担当しているとのこと。
そこで今回は、『宗近』さんのデザインについて、デザイナーの山内貴博さんと大村潤さんを交えてお話をお聞きしました。
――パッケージデザインを担当するデザイナーは、東京の方々とお聞きしましたが、出会いのきっかけを教えてください。
宗近さん(以下、宗近):私がかつて東京で音楽をやっていた時(Vol.1参照)、好きなアーティストのCDジャケットやリーフレットなどを手掛けていたのがFAVGEAR(ファヴギア)という事務所の山内さんと大村さんでした。自分のレコードレーベルもぜひ、このお二人にお願いしたいと思ってお会いしたのが始まりです。
山内さん(以下、山内):初めてお会いしたのは、とあるクラブイベント。真っ暗闇の中で、お互いの表情も分からないまま話したのを覚えています。アルバムリリースの1年前、2005年でしたね。
大村さん(以下、大村):私は山内さんから話を聞いた後の打ち合わせで初対面。精力的に頑張っている若者がいるなぁと感心していました。
――山内さんと大村さんは、avexのデザインも数多く手掛けられていたとのこと。熱い想いだけではすぐに会えない、なかなか遠い存在だったのでは?
宗近:そう! 私にとっては雲の上の人でした。でも、どうしてもお願いしたくて…。じゃぁ行くしかない、行けば何とかなるかなと。若気の至り、怖いもの知らずによる突撃です(笑)。
山内:一応、知人の紹介でしたが、宗近さんの前情報はそれほどありませんでした。でも、一緒に仕事をするうちにチャレンジ精神が旺盛で、やりたいことや方向性が明確。仕事はやりやすかったですね。
大村:確かに。社会人でありながらも、大好きな音楽活動にも突き進んでいくという感じで。
宗近:抽象的な言葉を伝えただけで、もの凄いデザインが仕上がってくるんです。そしてそれが回を重ねる度に精度も上がっていく。だから、いつだって大きな修正はなかった。
大村:色のことで少し変更があるくらいだったかな。
――音楽活動の最中、宗近さんが家業を継ぐため帰福すると聞いた時、どう思われましたか?
大村:実家が製麺所であることも知らなかったので、とにかくびっくりの一言ですよね。音楽はどうするの?って感じで。
山内:奈良に修行に行くことは聞いていました(Vol.1参照)。私も宗近さん同様、地方都市の長男で上京。“好きな音楽で身を立てていくのは難しい”ってことをしっかり考えているんだなぁと感心しながら、いろいろと思うところがありましたね…。
宗近:修行と音楽を両立できると思っていたんですけど、実際はかなり大変でしたね。
山内:細々とでもいいので、音楽はやって欲しいなと。それは今でも思っていますよ。
――音楽は一旦、お休みになったけれど、デザインの仕事は途切れなかった。
宗近:お二人との関係を途絶えさせたくない! その想いだけで弊社のパッケージデザインもお願いしました。
山内:今までジャケット以外にもいろいろなデザインをしてきましたが、食品パッケージをゼロから始めるのは初めてでした。
大村:CDジャケットはビジュアルが強くて平面の印刷物ですが、食品パッケージは立体物で仕上がってくる。それがおもしろいし、宗近さんが送ってくれた商品陳列棚の画像を見て、「こんな風になるんだなぁ」とトータル的な見方も出来たりして、とても新鮮でした。
宗近:いろいろなデザインをお願いしていたんですが2018年、お二人が所属するFAVGEARが解散することになってしまって。デザインはどうするんだろうかと、本当に不安でした。
山内:解散後、大村さんと私はそれぞれ別の会社に勤務していましたが、約2年前から同じ会社に所属。引き続き二人で「宗近」のでデザインを担当しています。
大村:所属先が変わっても、デザインに対するスタンスは今も昔も変わっていないですね。
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