月刊ウララ7月号『What’s Hot?』より。今、気になる場所・ヒトの一部をお見せします!

2021/07/13


Double Nest
永宮愛子





写真と地図があれば昔の福井も再現可能。
構想・製作20年をかけた3DCGシステム。


Double Nest

現在は息子さんの康平さんとともに製作を行なっている。データの容量に加え、製作費が通常の3DCG製作よりもかなり少なく低いのも特長。ゆくゆくはこのシステムをパッケージ化して販売することも視野に入れている

ゲームなどのヴァーチャルリアリティの世界は、得てして地球上のどこにも存在しない風景が広がっている。もしその風景が自分の住む街だとしたら。その風景を空を飛んでいるように見ることができるとしたら。それを可能にしたシステムがリリースされる。





特筆すべきなのは、特殊な計算もなく、実際に寸法を測ることなく平面の地図や写真だけでできてしまうこと。つまり、等高線だけで山々は詳細に作られ、ビルや家など建物の高さは距離感など相対的な大きさだけで作ってしまうのだ。そして写真からできるということは、昔の建物の写真があれば、周囲の環境との大きさで判断してほぼ寸分違わない建物がヴァーチャル上に復活するということだ。「縄文時代の遺構など、空中写真があれば再現できますよ」。福井は朝倉氏遺跡、北ノ庄城、福井城など、伝聞と図絵のみで存在する史跡がある。さらに戦前のエキマエの景色は空襲で消え去ってしまった。このシステムはそれを再現することも可能、ということだ。




このシステムを一人で生み出した藤田智行さんは仕事をしながら開発をし続けてきた。その年月なんと20年。色彩とものの形について没頭したことで生まれた構想。ここには完成への執念と技術の粋が詰まっている。

Double Nest
【HP】あり

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#エンタメ#人物#月刊ウララ

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