2020/01/14
魚見の朝、モヤのかかる山間。 / 天気のいい昼間、のんびりと暮らす。 / 寒い夜にほっこり暖を 火のある暮らし。

北永敬一さん、なぎささん夫婦がそれぞれに東京から福井県に移住してきたのは約20年前のこと。越前町で出会い、結ばれた二人は、「自分たちの家に陶芸窯を作りたい」と、移住先を探し続け、魚見地区に辿りついた。
「窯は夜通し火を使うので中々理解を得られず、移住先が決まりませんでした」と、話すのは敬一さん。それが魚見地区に来て拍子抜けしたという。昔から炭焼きを生業にしていた歴史があり、囲炉裏文化が深く根付くこの地域で火は身近なもの。「私たちよりも火の知識も多く、驚きました」と、敬一さん。自然環境が厳しい面もあるが、地元住民の理解や窯の燃料である木も豊富にそろう好条件から移住を決めた。
移住後は、地区の人々から学ぶことも多いと語るのは、なぎささん。「例えば、“オクラは池田大祭の時期までに種をまくんだよ”って教えてもらうとか。みなさんいろんな“暮らしの目安”をもっているんですよ」。周囲の人々に助けられることも多い一方で地元住民の手伝いをすることもあり、忙しく暮らす二人。しかし都会の忙しさとはまた違う“充実した忙しさ”を過ごし、田舎での生活を満喫している。

魚見地区出身の長谷川さんと北永さん夫婦は、月に一度は囲炉裏を囲みながら料理を持ち寄ってお酒を楽しむ。その中でいつも話すことは、“魚見地区の未来”についてだ。
長谷川さん「若い頃から、いつか田舎の時代が来るだろうと考え、囲炉裏のある暮らしや伝統、それらの素晴らしさを伝えるために魚見の空き家の紹介や囲炉裏を囲んで音楽を楽しむ『炉端コンサート』の企画を続けてきました」。
なぎささん「移住前に『炉端コンサート』に参加したことも魚見に暮らすきっかけになりましたね」。
長谷川さん「都会で同じことをやろうとしても、火や煙を出すと近所迷惑になってしまいますよね。でもここでは火を焚き、煙を出すことが、“にぎやかでいい”と歓迎されるんですよ。これが魚見の魅力。魚見を知って移住してきてくれる人が増えて、やっぱり“田舎の時代”が来るなと自信になりました。実際に移住してみてどうでした?」
敬一さん「ここでは生活の中でおのずと居場所が見つかるのがいいですね。都会にいると居場所を見つけられない人が多いから。そういう人が魚見に来てほしい」。
長谷川さん「昔は自分の居場所を探すために都会に出る人が多かったけど、今は昔と逆かもしれないですね」。
火を囲みながらそれぞれに思い描く“未来”について話は尽きない。魚見地区では移住者も増え、町内でも人気の移住地になりつつある。長谷川さんの言うとおり、この土地に賑わいが生まれはじめ、“田舎の時代”が訪れているのかもしれない。

一音窯
北永敬一さん・なぎささん
東京から越前町に移住し、陶芸を通じて出会った二人。その後結婚し、池田町に移住。地区での集会や日常生活で地域の人々から昔話を聞くのが楽しみのひとつ

『木もくレンジャーズ』代表
長谷川浩さん
全国の林業を盛り上げたいと、林業の傍らチェンソーアートティストとしても活躍する。長谷川さんの作品は町内の至るところに展示されている
魚見の朝、モヤのかかる山間。 / 天気のいい昼間、のんびりと暮らす。 / 寒い夜にほっこり暖を 火のある暮らし。

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