【インタビュー】福井から世界へ!全米をステージに活躍する、ジャズピアニスト馬渕侑子

2020/03/28

LAはエンターテインメントの中心地。キャリアを続けるのに一番だと思いました

馬渕侑子
「ユウコ・マブチ・トリオ」。左がドラムのボブ・ブレットンさん、右がベースのデル・アトキンズさん

――ロサンゼルスの音楽学校ではどのようなことを学びましたか?

「ミュージック・パフォーマンス・アカデミー」という音楽学校に通っていたのですが、授業は音楽パフォーマンスが中心でした。理論に加えて、ソロとアンサンブルのパフォーマンス、やるべきことと、やらなくていいこと、良いパフォーマーになる為のことをたくさん学びました。講師のコンサートなどで、プロミュージシャンと演奏する機会も数多くあり、プロになるために必要なことを実践しながら学ぶことができました。

――2013年に一度帰国し、2016年に再びアメリカに渡った馬渕さんですが、この間、日本ではどのような活動をされていたのでしょうか?

家族と楽しく、健康的に過ごせるのは最高なことなのですが、福井で演奏する機会は限られていましたね。演奏したい時は、自分達でイベントをプロデュースしていました。日本国内で開催されている、いくつかのイベントやフェスティバルに連絡を取ろうとした時には、無名だしエージェントがついていないということもあり、完全に無視されるなど、とてもがっかりしたこともありました。再びアメリカに渡るまでは、毎月東京に行き、新宿の京王プラザホテルでソロ演奏の仕事をしました。

――帰国した2013年というと「ユウコ・マブチ・トリオ」の結成時期ですよね。トリオとはどのようにして知り合ったのでしょうか?

「ミュージック・パフォーマンス・アカデミー」のインストラクターは、全員現役のミュージシャンです。私達が講師のコンサートで演奏する際、その他の素晴らしいミュージシャンにも出会えるチャンスがありました。ベーシストのデルとはそのように知り合いました。ドラマーのボビーとは、私の1st CDを制作中に、プロデューサーのビリー・ミッチェルを通して出会いました。

――2016年に再びアメリカに渡りますが、その理由を教えてください。

ロサンゼルスはエンターテインメントの中心地であり、他の都市よりも多くのことにチャレンジできる機会があります。とても興味深い場所で、自分のキャリアを続けるのに一番だと思いました。

――現在までにアメリカで4枚のCDをリリースされていますね。昨年リリースされた「ジャズ界の帝王」と称されるマイルス・デイヴィスに捧げたアルバム『Yuko Mabuchi Plays Miles Davis』が、アメリカの「NativeDSD.com」のジャズ部門年間賞に選ばれましたが、受賞の感想を教えてください。

多くの方のサポートのおかげで「ヤーラン・レコーズ」とのプロジェクトが成功して素晴らしい評価をいただき光栄です。感謝と最高の気持ちでした。

馬渕侑子

――この賞はアーティストの才能を賞賛するだけでなく、録音環境にも着眼した、音響のプロが選ぶ他にはない賞ですが、レコーディングはどのようなスタイルで行なわれたのでしょうか?

「ヤーラン・レコーズ」はクラシック系音楽のオーディオファイル・レーベルです。録音は南カリフォルニア大学(USC)のキャンパスのレコーディングシアター(カミッレリー・ホール)で聴衆の前で行いました。録音機器はとても繊細なので、野外コンサートやナイトクラブと同じように演奏することは出来ません。また、全曲ワンテイクで録音するので、ミスすることはできず、デジタル補正は一切ありません。とてもクリーンなサウンド、録音会場の空気感や雰囲気も感じ取れる内容になっています。

――今年2月22日にサンノゼ(カリフォルニア州の都市)で開催された「San Jose Jazz Winter Fest 2020」にユウコ・マブチ・トリオが出演されたそうですが、フェスの感想を教えてください。

アメリカのオーディエンスは、演奏する場所が何処であろうととても熱狂的で私達がベストを尽くすよう刺激をくれます。「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」や、「セゲルストロム芸術センター」といった2000人ものお客さんが来られるコンサートもあれば、ワシントンD.C.の「ブルースアレイ」や、「デトロイト美術館」、「サンフランシスコJAZZ」や、「サンノゼJAZZ」のように、お客さんとより親密な雰囲気の会場、これまでいろんなかたちでパフォーマンスをしてきました。今後も6月にカリフォルニア州オークランドにある日本人オーナーの有名ジャズクラブ「Yoshi’s」にてコンサートを。 7月にはアメリカの大きなジャズフェスの一つである「Atlanta Jazz Festival」に出演します。小さな会場でも大きな会場でも、同じ良い音楽を届けられるようベストを尽くします。



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#インタビュー#音楽#エンタメ

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