2020/10/07
古生代(約5億4100万年前~約2億5000万年前)/
中生代(約2億5000万年前から約6600万年前)

大野市の『和泉郷土資料館』で、「地質時代」について語られるのは、生命進化の手がかりとなる多様な時代の地層や生き物たちの化石が見つかる、国内有数の場所だからにほかならない。
大野市内には、恐竜が繁栄していた時代(中生代)から、さらに古い時代(古生代)の地層まで、広く分布。「ここから見える山並みは、いろいろな時代の地層が入り組んで、形成されているものです。古いものだと日本列島の成り立ちに関わるような地層もあります」と、大野市文化財課の酒井佑輔さんは説明。それを裏付けるように、人類を含めた哺乳類が栄えた新生代よりもはるか昔、古生代や中生代の生き物たちの化石が数多く発見されている。
和泉郷土資料館で展示しているアンモナイトやウミユリ、三葉虫などの化石はどれも海の中に生息していた生き物。古い時代の地層とはいえ、こうした化石が現在の山間部から発見されている事実にも興味をかき立てられる。
「4億年前のサンゴの化石が見つかっていますが、本来ここでは出会うはずのない暖かい海の生き物。遠く離れた海で化石となり長い年月をかけて移動してきたと考えられます」
企画展では、中部縦貫自動車道の工事で産出された岩石から発見された4種のアンモナイトの化石や、新種の可能性がある前期白亜紀のカメ類の化石、全国的に産出地域が限られるデボン紀(約4億年前)の化石などを公開。
1882年に日本で初めてアンモナイトの化石が発見されるなど、すでに明治時代には国内で注目の存在だった。1996年には初期のティラノサウルス類の化石が発見されたことでも話題に。今も地層の中には、生命進化の新たな謎を解き明かす大発見が眠っているのかもしれない。
酒井佑輔さん
ファボンシテス・ヒデンシス
シルル紀からデボン紀にかけての代表的なサンゴのひとつ。表面が蜂の巣のように見えることからハチノスサンゴとも呼ばれる
□分類:床板サンゴ類
□時代:古生代 デボン紀
□場所:大野市伊勢・上穴馬層

ウミユリ
ヒトデやナマコと同じ棘皮(きょくひ)動物の仲間。現代も生息していることから「生きている化石」と呼ばれる
□分類:ウミユリ類
□時代:古生代 デボン紀
□場所:大野市伊勢・上穴馬層

チョファッテ層の一種
地層の時代を決める上で有効な基準とされるアンモナイトの化石。イカやタコ、オウムガイの仲間(頭足類)で、中生代の海で繁栄した海洋生物。写真上は約1億6600万年前の「ジュラ紀カロビアン」と呼ばれる時代に生息していたもの。石徹白川橋建設工事の現場から2018年に産出
□分類:アンモノイド類
□時代:中生代 中期ジュラ紀
□場所:大野市貝皿・九頭竜層群貝皿層

カメ(マンチュロケリス属)の甲羅化石
マンチュロケリス属は恐竜時代にいたカメ類のグループ。写真の化石は大野市長野で2001年に発見。新種の可能性も。
□時代:中生代 中期ジュラ紀
□場所:大野市貝皿・九頭竜層群貝皿層
□発見者:島田正樹

和泉郷土資料館
古生代や中生代の生き物の化石展示、最新の研究成果などを展示。和泉地区から出土した縄文土器や、かつて主要銅山だった面谷(おもだに)銅山なども紹介。
【住所】福井県大野市朝日25-7
【電話】0779-78-2845
【時間】19:00~16:00(日曜・祝日は17:00まで)
【休日】月曜(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日
【料金】大人300円、小人(中学生以下)無料
【駐車場】あり
【企画展「地質時代と化石 大野に眠る4億年の歴史」】
大野市の多種多様な岩石や化石を紹介する企画展。サンゴ礁が広がる暖かく、浅い海に生息するデボン紀(約4億年前)の古生物の化石、中期ジュラ紀(1億6600万年前)のアンモナイトの化石、マンチュロケリス属のカメ類化石などを展示。11月8日(日)まで。

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