2020/10/07
古墳時代(1700年前~710年頃)

冠帽(かんぼう)
「十善(じゅうぜん)の森古墳」は6世紀初めに若狭地方一帯を治めたとされる王様を埋葬した、全長約68mの前方後円墳。JR上中駅から西へ約700m、小浜線の南側にある。天徳寺古墳群に属するこの前方後円墳からは副葬品として、装飾性に富んだ金銅製の冠・履(くつ)の破片や蜻蛉玉(とんぼだま)が出土していて、これらには当時朝鮮半島の百済製の特徴が確認できる。
つまりこの時の若狭の王たちは百済との間で外交関係にあったことがうかがえる貴重な資料ということになる。半島文化の移入や、石室の変遷を究明する上でも貴重な存在である。
そして『若狭町歴史文化館』では、出土品の一つだった金銅製冠の復元品を展示している。昭和29年の発掘調査の段階ではすでにもとの形は失われていて、細片化した状態で発見された。保存処理や復元図の作成などの過程を経て復元した冠は、烏帽子と組み合わせたような独特の形が特徴的。細かな装飾が施されていて、冠の両横に魚をモチーフとした装飾が下がっているのも興味深い。
□ 時代:6世紀初め
□ 出土:十善の森古墳

金製垂飾付耳飾
向山1号墳から出土した18金製の耳飾りは、直径わずか4㎜程度の空球(うつろだま)の表面に、0.5mmに満たない微細な金粒を貼り付けた緻密な装飾。金粒の貼り付け位置にくぼみを入れたり、空球の内部に細い針金を通し、兵庫鎖と呼ばれる鎖を取り付けたり、高度かつ繊細な技術力に驚く。朝鮮半島にあった伽耶(かや)の特徴を示している。
□ 時代:古墳時代中期(5世紀)
□ 出土:向山(むかいやま)1号墳

玉一連(たまいちれん)
丸玉・棗(なつめ)玉・ガラス製蜻蛉(とんぼ)玉
本体の地色と異なる色のガラス粒を溶かして本体に埋め込む「蜻蛉玉」と呼ばれるガラス玉は、青色と黄色とのコントラストが鮮やか。
□ 時代:古墳時代後期(6世紀)
□ 出土:十善の森古墳

玉一連
臼玉・碧玉(へきぎょく)製管玉・ガラス製小玉・水晶・ガラス製勾玉
勾玉のデザインそのものは縄文時代からあるものの、古墳時代には副葬品として好んでつくられた。透明で美しいガラス製のものがひときわ目を引く。天然の水晶製のものも。
□ 時代:古墳時代後期(6世紀)
□ 出土:十善の森古墳

ガラス製
丸玉・小玉・棗(なつめ)玉
鮮やかな黄色と薄緑色が映える不透明のガラス玉。大きさは不ぞろいながら、多数を組み合わせることで、空きのない長いネックレス状の装身具を形づくっている。
□ 時代:古墳時代後期(6世紀)
□ 出土:十善の森古墳

碧玉(へきぎょく)製管玉
直径1㎝前後の滑らかに磨かれた円柱状の玉の中央に、主軸と平行に小さな穴を貫通させている。穴の直径は1~2㎜程度とかなり小さいが、石錐(いしぎり)と呼ばれるドリルで開けたと考えられている。
□ 時代:古墳時代後期(6世紀)
□ 出土:十善の森古墳


町歴史文化館
北川地域(若狭町)を中心に展開する前方後円墳や巨大な円墳からの出土品を展示している。1500年前の大陸との結びつきや、膳臣(かしわでのおみ)として名を残した若狭の王たちが東アジアを舞台に活躍した時代に思いを馳せる貴重な資料を目にすることができる。
【住所】福井県三方上中郡若狭町市場20-17
【電話】0770-45-2270
【時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休日】火曜(祝日の場合は翌日)、その他臨時休館あり
【料金】無料
【駐車場】あり

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