福井でラグビーの魅力を伝えたい! 「福井女子闘球倶楽部」の”ラガール”石渡汐織さん

2019/11/14

そんなつもりはなかった…のに、国体メンバーに!

――福井に来てからはどうされたんですか?

私が通う、文京キャンパスには男子のラグビー部もなかったので、松岡キャンパスのラグビー部の練習に混ぜてもらうことにしました。自分で連絡を取り練習場へ行ってみると出迎えてくれたコーチに「汐織ちゃんが来てくれるのを待ってたんだよ! 会ってほしい人がいるんだけど、今晩空いてる?」って、いきなり言われました(笑)。入学式もまだなのに「待ってた」ってどういうこと? 何で私のこと知ってるの? といろいろ疑問はありましたが、とりあえず練習後にコーチに言われて焼肉に行きました。そこにいたのが「福井県ラグビーフットボール協会」(以下、ラグビー協会)の当時の理事長でした。

――ラグビー協会の理事長が登場するなんて、思ってもみない展開ですね。

焼肉の席でいまいちピンときていない私に理事長は、「3年後の2018年開催の福井国体に向けて女子ラグビーのチームを作りたいんだけど、その中心となってくれない?」と言いました。
でも私の答えはNO。多くの人に女子ラグビーの魅力を知ってほしくて福井に来たとはいえ、私にとっての本拠地は名古屋レディースです。福井での活動は大学4年間だけの予定だし、福井県代表で国体に出場する気はまったくありませんでした。

福井女子闘球倶楽部
石渡汐織

――その後どうなったんですか?

1カ月ほど過ぎ、ラグビー部恒例の新入生歓迎試合や新入生歓迎会が行なわれていた頃、理事長と再び食事をする機会がありました。そこで自分が福井でやりたいことを話すうちに、福井国体が行なわれる2018年は自分が大学4年生になる年だということに気づいたんです。“女子ラグビーの魅力を大学の4年間で伝えたい、という私の思いと、国体に向けてチームを作りたい理事長の思いって一致しているのかも!”そう思い覚悟を決め「私、やります!」とその場で返事をしていました。 その後、理事長と話をして、たくさんの人が集まる大学という場で、部活動として活動していくことに決め、「福井大学女子ラグビー部」を創設し、メンバーを集めることになりました。

仲間との出会い、そして最高の舞台へ。

福井女子闘球倶楽部
提供:石渡汐織さん

――メンバーはどうやって集めましたか?

同じ学部の友達など、新生活で出会ったたくさんの子に声をかけました。部員集めの時のキーパーソンとなるのが大学の寮の同期だった大堀朱音さんです。恵まれた体格の彼女はラグビーに向いていると確信。しかも同じ愛知県出身で親近感もわきました。“これは誘うしかない!”と思い、3日連続で彼女の部屋まで行って、3時間にわたって、ラグビーがいかに楽しいか、彼女にはどんなポジションが向いているか、紙とペンを持って説明しました。今考えたらちょっとしつこいですよね(笑)。でもそれくらい、私にとって彼女は魅力的でした。3日目の夜なんて、半分呆れていたのか、寝転んでマンガを読みながら私の話を聞いていましたよ(笑)。

――大堀さん、なかなかその気になってくれなかったんですね。

高校時代の部活でじん帯を切る大ケガを2回も経験していたのが大きかったんじゃないかと思います。私も“彼女がまたケガをすることになったらどうしよう”という不安もあったんです。でもある夜、寮の廊下で会ったとき、彼女は私の顔を見て、

「汐織、私ラグビーやるわ」

と言い残し出かけていきました。あんなに乗り気じゃなかった彼女がラグビーをやると言ってくれて本当にびっくりしました! 一瞬、信じられなかったです!

福井女子闘球倶楽部
大堀さん(左)とは、スパイクをお揃いにするほど仲良しに! 2人は友達であり、同志です 提供:石渡汐織さん

――大堀さんが2人目のメンバーになったんですね! 他のメンバーはどのようにしてチームに入ったんですか?

同じ頃、ラグビー協会が県と協力し、膨大なデータの中から福井のラガールとして活躍してくれる選手を探して、一緒に国体を目指すことになりました。
2年経って、ラグビーができる人数は集まりましたがそのほとんどは未経験者。1年後に迫る国体で他県のチームと戦えるレベルになるため、授業の後にグラウンドに向かったり、休日は遠征に行ったりと、ラグビー漬けの日々を送りました。教育実習や教員採用試験の勉強もあったので、本当にハードでした。

――そして迎えた福井国体。振り返ってみてどんな大会でしたか?

大成功でした! 「未経験者の集団がたった数年でこんなに強くなるはずがないのに!」とラグビー関係者が驚くほどの快進撃で決勝トーナメント進出! 目標の5位には届かなかったけれど、6位入賞で、たくさんの方が「おめでとう!」と言ってくれました。大好きな仲間たちと大好きなラグビーができ、幸せな時間でした。特に、大堀から「ラグビーをやっていてよかった」という言葉を聞けた時は胸が熱くなりました。

福井女子闘球倶楽部
提供:石渡汐織さん

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