月刊ウララ12月号『What’s Hot?』より。今、気になる場所・ヒトの一部をお見せします!

2019/12/17


未来へつなぐために
今を変えていく。

江澤隆輔

江澤隆輔
教師
1984年丸岡町生まれ。藤島高校、広島大学教育学部を経て教師の道へ。『苦手な生徒もすらすら書ける! テーマ別英作文ドリル&ワーク』(明治図書出版)、『教師の働き方を変える時短』(館出版)、『学校の時間対効果を見直す!』(学事出版)など教員向けの書籍を出版するなど精力的に執筆活動を行なう。現在も3冊の書籍を同時進行中

働き方改革とは単純に働く時間を減らす、ではない。効率よく働くための思考と行動を促す。過重労働の側面が取り沙汰される教師。その中で書籍を出版し、効率よく働く教師がいる。
中学時代、数学の先生は強烈なインパクトを与えた。その後の人生を決定づけたといっても過言ではない。「わかりやすくて面白くて、授業を聞いていれば勉強をしなくてもいいくらいでした」。大学進学時、教師の道は頭になかったが、自然と教育学部を選んでいた。
“教師とは夜遅くまで働くもの”という固定概念を当初持っていたが、徐々に非効率さが目立つようになる。教師の本分は学校授業、自身の授業研究であるなら、もっとそこに時間をかけるべきであり、それができない現状に釈然としなかった。だから固定概念を捨て、全国の教師とプロジェクトを立ち上げ働き方改革、さらに学習レベルを上げる実践を行なっていった。一人では厳しいが、チームなら叶えられる。実践の積み重ねは数年後、見事に結実する。
既成概念を覆すのはどの世界も険しい。しかし越えなければ次の世代につないでいけない。未来を作るのは子どもたちであり、教える教師たち。「だから若い先生たちが変えていくときは強くサポートしていこうと思っています」。

文化を育んできた店は、
人々の後押しで再生する。

御料理 一燈

御料理 一燈
【住所】福井県福井市春山2-1-7
【問い合わせ】0776-22-1323
【営業時間】18:00〜23:00
【休業日】日曜
【席数】32席
【駐車場】なし

あの日、浜町は騒然となった。その苦難を乗り越え、再び暖簾はかかる。さくら通り、ここには築70年近くは経っているだろう建物がある。酒屋として建てられていたその店を改装してスタートを切った『一燈』。
すぐに再開できたのも、以前から通い詰めていた顧客の大きな支援の声があったからだ。料理人たるもの“手元”、つまり料理に真剣に向き合うもの、という、外連味もなく愚直なまでの姿勢が顧客の心を掴んでいたのだ。「もし皆さんの声がなかったら再開はしなかったと思います。すぐに前を向かせてくれたのはまぎれもなくお客様。本当に感謝しています」。
『一燈』が紡ぎ続けてきた“手元”、それは福井、そして北陸にこだわってきたということ。地産地消という言葉では片付けられない、福井や北陸の食材と、全国の食材を組み合わせることで生まれる、本場・京都にはない“福井だから楽しめる懐石文化”を提供し続けてきた。
今回移転した新しい店舗にも同じことが言えそうだ。古い建築物という、地域が持ち続けた“文化”と、オーナー自身がこだわってきた“文化”を融合させているかのよう。必然ともいえる出会いは新しい“文化”をここから生み出していく。




若手建築家が手がけた初作品。
改修プロジェクトのその先。

JAKUETS福井本社 内覧会
©Masao Nishikawa

JAKUETS福井本社 内覧会
【場所】ジャクエツ福井本社・工場
【住所】福井県敦賀市若葉町2-1770
【問い合わせ】0770-25-1111(代表)

遊具開発などを手掛ける『ジャクエツ』(敦賀市)の自社工場が改修計画に伴い、新たな空間へと生まれ変わった。
その設計を任されたのは、フランスの「Ateliers Jean Nouvel」や「内藤廣建築設計事務所」に在籍後、独立した若手建築家の橋本尚樹氏。約1年を費やした改修工事によって、デザイン部門と製造部門の一体化を試みるなど、シンプルで開放的な空間を生み出した。
溶接や塗装、組み立てなどの製造ラインが集まる立地環境にも目を向け、周囲に溶け込むようにグレーを基調とした“主張しない建築”となっているのが特徴のひとつ。そこに、これまで生み出してきた膨大な数の製品をアーカイブする可動棚が新たに設けられ、時代の先を見据えるラボのようなクリエイティブな環境がつくられている。
今回のプロジェクトをきっかけに繰り返し敦賀を訪れる中で、「かつては交易の拠点として大陸との関りが深く、北前船の寄港地としても栄えた敦賀は歴史的にも魅力的な地域」と橋本氏。
一方で駅前周辺のシャッター通りなどにも足を運び、地方の衰退を肌で感じてきたという。本社を囲む「空っぽの公園」の構想をマスタープランの中で提案するなど、「敦賀の新たな玄関口に」と今後への期待と意欲を示している。

月刊ウララ12月号

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#エンタメ#人物#月刊ウララ

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